フーシー派の対イスラエル攻撃の実状
もう一つのイランの同盟者であるイエメンのフーシー派も、ガザでの戦闘が始まると長距離ミサイルやドローンでイスラエルに対する攻撃を始めた。またイエメン周辺の海域を航行する船舶へも攻撃を始めた。
最初に対象となったのは、イスラエル資本の船舶である。またイスラエルの港湾からの、あるいはイスラエル向けの船舶だった。
これに対してアメリカやイギリスが艦隊を派遣してフーシー派を攻撃している。逆にフーシー派は、アメリカやイギリスなどの軍艦と商船に対する攻撃を行った。
そして2024年12月末に、イスラエルが大規模な空爆を行った。それでもフーシー派の対イスラエル攻撃は、止まらなかった。それは、2025年1月のガザでの停戦まで続いた。
ガザでの停戦の発効を受けてフーシー派はイスラエルへの攻撃を停止した。また紅海周辺を航行する船舶に関しても攻撃を制限し始めた。イスラエル資本、あるいはイスラエルの港湾を利用する船舶以外は攻撃しないと発表した。
だがガザでの停戦が破られるとフーシー派も攻撃を再開した。
“敵の本丸”を直接攻撃する絶好の機会
さて、こうしてガザの爆発以降の情勢を整理すると、つまり2024年末の段階での情勢を見まわすと、イランの同盟者のハマスとヒズボラが、ひどい打撃を受けた。またアサド政権が消滅した。これでイランを中心とするブロックの軍事力は弱まった。
そして、アメリカでは2025年1月20日にドナルド・トランプが大統領に再び就任した。同政権は、発足直後の3月から5月にかけてフーシー派に対する激しい空爆を行った。
時計をトランプ就任前に戻すと、2024年10月のイスラエル軍のイラン攻撃で、イランの防空網は壊滅的な打撃を受けた。それ以来、イスラエル空軍機が自由にイランに侵入できる状況にあると、イスラエルは主張していた。今やイスラエルは、敵の本丸ともいうべきイランを直接攻撃する絶好の機会を得た。
同国の専門家は、状況をサッカーの試合にたとえていた。イラン・チームからは退場者が続出し、しかもゴール・キーパーが負傷している。いまこそゴールへ向けてシュートすべきだと。
そして2025年6月にイスラエルはイランを奇襲した。

