今日からできる3つの対策

では、中学生、高校生に成長したお子さんはどうすれば良いのでしょうか?

幸いなことに口腔機能は筋肉の問題なので、今からでもトレーニングで鍛えることができます。ここでは当院が推奨する3つのメソッドをご紹介します。

① 全力5秒うがい

NHK「あさイチ」で紹介されたうがいの方法です。特別な道具も、特別な時間も必要ありません。毎日の歯磨きの際のうがいを「筋トレ」に変えるだけです。

やり方:少量の水(約30ml)を口に含み、固く唇を閉じて、全力で「ブクブクうがい」5秒と「ガラガラうがい」5秒を、3セット行います。
ポイント:頬がパンパンに膨らみ、唇から水が漏れそうになるくらいの強さで行います。
効果:頬を膨らませることで頬筋、唇をしっかり閉じることで口輪筋、舌を前後に動かすことで舌筋群が、それぞれ確実に活動される複合型トレーニングです。

② 唇の力を見える化する「ボタントレーニング」

歯科医院では唇の力を測定することがあります。ボタンのようなものを唇と歯の間に入れて唇を強く閉ざしてボタンを引っ張り、どれくらいの力に耐えられるのかを数値化します。この方法をそのままトレーニングに応用します。

やり方:衣類用の直径2.5cm程度のボタンに、デンタルフロスやタコ糸を通して30cm程度の輪にします。ボタンを唇の裏側(歯の前・唇の内側)に入れます。ボタンが飛び出す寸前の力で糸を前方に5秒程度引っ張ります。10回を1セットとし、1日2〜3セット行います。
ポイント:唇をしっかり閉じて、ボタンが口から出ないように保持します。
効果:口輪筋の収縮を促し、口を閉じた状態を保持する力を鍛えると、お口ポカンの対策になります。

【図表1】ボタントレーニングのやり方

唇を支える“意外な場所”

③ べろを鍛える「舌回し」

「唇を閉じるのは唇の筋肉だけの問題」と思いがちですが、実は違います。唇という外側の「窓」を閉めるには、内側にある舌の「柱」がしっかりしていることが必要です。舌の力が弱いと舌の位置が低くなり、口が開きやすくなります。このため、舌を鍛えて「ベロマッチョ」を目指します。

ベロマッチョの基本となるトレーニング「舌回し」をご紹介します。

やり方:口をしっかり閉じて、内側から舌の先で唇や頬を押しながら、1周5秒くらいかけて、時計回りと反時計回りにそれぞれ5周ずつ回します。これを1日に3回行います。
ポイント:舌の先を内側から外側に押し出すように回します。
効果:舌と舌の下側にある複数の筋肉が総合的に鍛えられます。舌回しをして、喉付近に疲労感を感じると効果が出ています。

「勉強に集中できない」「すぐに風邪をひく」などのお子さんに対するお悩みが、まさかお口の筋肉にあるとは、多くの親御さんは思いもしないでしょう。

もし、本稿にあるような「リコーダーが吹けない」「ハンバーガーが噛めない」などの小さなサインがあれば、それを見逃さず、口腔機能の専門的な視点を持つ歯科医に相談して下さい。

お口対策は、将来の教育投資の土台かもしれません。

【図表2】口腔機能発達不全症チェックリスト
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