放置した先で起こる6つのこと

口腔機能発達不全症を放置すると、どうなるのか。社会面、健康面で起こりうる問題を一つ一つ見ていきましょう。

① ハンバーガー問題

直近の問題として起こりうるのが「ハンバーガー問題」です。歯並びは、歯と顎の大きさのバランスだけで決まるのではなく、唇と舌も影響します。唇周囲の筋肉(口輪筋)が弱く、口を開いた状態が続くと、唇での歯並びの制御が起こらずに歯が前に出て「出っ歯」(上顎前突)、舌の位置が前に出がちだと、上の前歯と下の前歯の間が開く(開咬)という問題が露見します。

こうなると前歯が正しく機能せず、ハンバーガーのバンズやレタスを噛み切ることができません。このため奥歯に押し込んで食べる、奥歯依存の「ちぎり噛み」がパターン化して周囲に幼い印象を与えます。

実際、日本歯科医師会の調査では、10代の48.3%が「(硬いものを)噛みきれない」「食べこぼし」を経験しています。

② クチャラー問題

さらに深刻なのが「クチャクチャ食べ」の「クチャラー問題」です。

唇の筋力低下のため、口を閉じて咀嚼ができないので、食べ物を食べる音が周囲に漏れます(咀嚼異常音)。これはマナーの問題ではなく、口唇筋力の問題ですが、周囲、特にデートの相手や将来のビジネス会食の相手はそう見てくれるとは限らないでしょう。「育ちが悪い」「自己管理ができていない」などのレッテルを貼られるかもしれません。

③ 滑舌問題

また、日本歯科医師会では、10代の38%が滑舌不良とのデータを示しています。お口ポカンになると、通常は上顎にくっついた状態の舌が低位になり、舌を持ち上げる運動をしなくなります。この運動不足が、舌の力不足につながり、結果的に滑舌不良を招きます。

④ 感染症にかかりやすくなる

健康面も無視できません。

鼻呼吸が鼻毛・粘膜のフィルターを通しているのに対して、口呼吸はフィルターを通さずに空気を直接喉に送り込むことになります。そのため、咽頭細菌付着率が3倍になり、ダイレクトに喉を直撃します。その結果、風邪や感染症にかかりやすくなります。

⑤ 睡眠の質が低下

また、口腔機能発達不全症は口呼吸(口唇閉鎖不全)や顎・舌の発育の障害をもたらすため、上気道が狭小化して、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になります。酸素低下や睡眠が浅くなる状態(覚醒反応)になるため、睡眠の質の低下にもつながります。それが集中力不足を招く可能性もあります。

⑥ 集中力が低下

また、口呼吸では、鼻呼吸に比べて血中酸素取り込み量が10〜18%程度少なくなるため、低酸素状態となります。これが集中力低下によるテストでのケアレスミスの連発や、運動でのスタミナ切れの誘発などにも影響します。さらに姿勢の悪化にもつながります。