コメ不足解消も簡単
さらに根本的な対策は、コメの減反政策をやめることだ。
生産量が増えると価格は低下する。それで影響を受ける主業農家にはEUのような直接支払いを行えばよい。そもそも平成、令和のコメ騒動は、根本的には減反政策が招いたものである。
平成のコメ騒動の際は、潜在的な生産量1400万トンを減反で1000万トンに減らしていた。それが冷夏による不作で783万トンに減少した。しかし、通常年に1400万トン生産して400万トン輸出していれば、冷夏でも1000万トンの生産・消費は可能だった。
今は水田の4割を減反して1000万トンの生産量を700万トン程度に抑えている。700万トンが「需要に応じた生産」である。減反をやめて1000万トン生産し、300万トン輸出していれば、猛暑で40万トンの不足が生じたとしても、輸出量をその分減じていれば国内の不足は生じなかった。
政治家ができること
日本と同じように90年代初めまで政府が市場に介入したため過剰農産物を抱えたEUは、減反しないで輸出で処理した。わが国と異なり、域内の生産は制限されなかった。EUなら生産が減っても輸出量が減るだけでコメ騒動は起きなかった。EUには供給(在庫)や価格を操作できるJA農協もなかった。
第二に、コメの先物市場を認めて透明・公正な価格形成を図ることでJA農協による価格操作を困難にさせる。
第三に、コメの関税を下げることだ。恒常的に下げることが政治的に直ちには難しいなら、1年を限り時限的に半減するか撤廃すればよい。1年限りの関税削減であれば、生産に影響は生じない。平成のコメ騒動の際は、260万トンの輸入を行った。関税を下げるのが嫌なら、関税なしの輸入を行っているミニマムアクセスという輸入枠での輸入量を増やすことだ。
最後に、独占禁止法の活用である。小規模事業者や消費者が協同組合を組織する場合には、独占禁止法の適用除外が認められ、カルテル行為は許されている。しかし、これらの組合であっても、「不公正な取引方法を用いる場合」または「一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引上げることとなる場合」は、独占禁止法が適用される。今回、JA農協は通常年では玄米60キログラム当たり1万2000円の概算金を3倍近い3万~3万3000円に引き上げている。
これは「不当に対価を引上げる」ことに該当しよう。

