生産増なのにコメ価格が上がるワケ

現在のコメ高騰は、24年夏から昨年9月までの価格上昇と、原因もそれを作った主体も異なる。昨年9月までの高騰は23年産米が猛暑による高温障害を受けたことで供給量が減少したことが原因である。これは自然災害である。

これに対して、今、生産が増えている中で起きている価格高騰・高止まりは、JA農協によって引き起こされた人災である。

24年産米について他の業者がコメの集荷に参入しJA農協の集荷率が減少した。このため、JA農協は、通常の年では玄米60キログラムあたり1万2000円の概算金を、25年産米では3万円から3万円5000円に引き上げた。これから農協はマージンを加え、卸売業者に平均3万7000円という空前の価格で販売している。この価格で購入した卸売業者は高い価格でスーパー等に販売せざるを得ない。これが、現在コメが異常に高い値段となっている原因である。

25年産米の生産は70万トンも増加しているので、今はむしろ過剰で昨年秋以降米価は下がるはずである。それなのにJA農協が卸売業者に売る価格をむしろ引き上げているのは、在庫量を増やすことで市場への供給量を減少させているからだ。それができるのは、農水省が放出した備蓄米70万トンを市場から買い上げてくれるから、過剰な在庫も解消できると考えているのだ。

田植えの季節
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コメの値段を下げるのは簡単

人災なら対策はある。

JA農協が過剰在庫を持つことができるのは、農水省がいずれ市場から買い上げてくれることを想定しているからだ。小泉農水大臣の時は、コメの値段が高いうちは備蓄米相当量を買い上げないとしていた。

政府買い上げがなければJA農協の過剰在庫は市場に放出され、米価は下がる。農家は困るのではないかと言うのかもしれないが、今の米価は通常年の1万5000円の倍以上の3万7000円というバブルである。バブルを作ったのはJA農協だし、元の米価に戻るだけで補償する必要はない。