読書のハードルを下げて本好きではない子にアプローチ

まずは、始まったばかりの「朝読書」の現場へ、とにかく見学に行きました。そこで気づいたのは、どの学年にも、分厚いファンタジーを軽々読みこなす子から、10分間座っていられず図鑑をパラパラめくるだけの子までが混在しているということです。私はその中で、中間にいた「本が特に好きというわけではないけれど、きっかけがあればなんとなく読む」という大多数の子たちをターゲットにしようと決めました。

ヒントになったのは、原作書籍が発売されていたアメリカの子どもたちの姿です。彼らにとって、ゲームやテレビ、スポーツや外遊びといった選択肢の一つに、当たり前のように「読書」が入っていました。おごそかに本を広げるのではなく、寝転がっておやつをボリボリ食べながらページをめくったり、読み終わったらそのまま隣の子と交換したり。

日本で出版するにあたっても、同じように「読書のハードルを限りなく低くして、日常の遊びの延長として楽しんでほしい」と考えました。読書の入り口を高く設定しすぎない。そう考え、徹底的な「ハードルの引き下げ」を開発の軸に据えたのです。

ランドセルにも入る「軽くてコンパクト」なサイズに

本の制作にあたっては、実際の子どもたちの細かな行動をリサーチし、多くの工夫を施しました。

まず、重いハードカバーを避け、ランドセルの隅っこにひょいっと入る、軽くてコンパクトな「四六判ソフトカバー」を採用しました。朝読書のためにわざわざ専用のサブバッグを持たせるのは、親御さんにとっても負担ですから、選ばれやすい、日常の動線に自然に溶け込むサイズ感や手軽さを重視したのです。これは実は、当時市場に全くなかった仕様でした。