夫婦別姓を法定化? 事実上の軌道修正
それだけではなかった。高市首相が、選挙後、新たに担当閣僚に出した「指示書」に旧姓単記の方針を明記したことをめぐってもネット上で賛否両論が噴き出した。
「旧氏(旧姓)の使用拡大を進めるため旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進める」という内容で、パスポートや運転免許証など、これまで旧姓と戸籍名の併記が必要なのを、旧姓だけを記載することを法的に認めようというものだ。
パスポートなどに旧姓だけの記載を認めれば、併記の煩わしさはなくなるが、戸籍上は2つの姓を持つのと同じになる。
これが、選択的夫婦別姓の推進派はもとより保守派の疑問も呼んだ。旧姓使用を法的に裏付けるもので、夫婦別姓を実質的に制度化する、あるいは戸籍とパスポートの姓が異なると混乱を招く、などの疑問や批判が殺到し、国会でも取り上げられた。
結局、高市首相は2日の予算委員会で、パスポートや運転免許証などの書類には「併記を求めるといった検討が当然必要になる」と事実上の軌道修正に追い込まれた。保守派の不満を和らげるためだろうが、何をやりたいのかますます分かりにくくなっている。
「高市さんは孤独な人だ」
それにしても竹島の日といい、旧姓単記の問題といい、なぜこんな場当たり的な対応が続くのだろうか。あれだけ圧勝したのだから、従来の主張や発言を変える必要もない。
逆に、竹島の日の問題のように、外交上日本の国益にとってマイナスになるというのなら、それも堂々と方針転換を説明すれば、高市首相に批判的な勢力はもちろん、右派の支持者たちも、納得するのではないだろうか。一度言った事は、間違っていようが絶対に変えない。まるでそう固く決意しているようだ。
「高市首相の問題点は、誰にも相談しないで何でも一人で抱え込んで決断することだ」
高市首相を良く知る自民党幹部は、最大の問題は回りに人がいないことだと話す。
「何でも自分が納得するまで調べて、結論を出さないと気が済まない。良く言えば人並み外れた努力家だが、逆に人の意見はほとんど聞かない。悪く言えば独善家だ。だから結果がまずいことになっても軌道修正できない。間違ったと分かっても変えられない。高市さんは孤独な人だ」
何が何でも年度内成立
政治の世界を動かすのは数の力だ。しかし、数の力だけで国会を動かすことは簡単ではない。かつて「国会対策の神様」と自称していた竹下登元首相は、「権力のトップたる者は、7割の批判に甘んじなければならない」と名言を残した。

