政府は農業予算を削り続けている
日本は、米国からの武器購入などに多額の予算を投入する一方で、その穴埋めに農業予算を削減してきた歴史がある。今こうして国内農業が危機的な状況になっても、その姿勢を変えていない。
本来、飼料米生産への補填も含め、水田を守ることは安全保障の一部と位置付けるべきだが、今の政府には、予算がかかるので打ち切りだ、という視点しかないようだ。
2024年11月29日に出された財務省・財政制度等審議会の「建議」を要約すると、以下のようになる。
▼農業予算額は多すぎる
▼飼料米補助をやめよ
▼低米価に堪えられる構造転換
▼国家備蓄米を減らせ、民間備蓄と輸入米を活用せよ
▼食料自給率を重視せず、輸入を増やせ
他の国のように、消費者に農産物を安く供給するため、生産者のコスト割れを補填するとなると、多額の予算が必要になるのでやりたくないわけだ。
代わりに、農業を競争にさらして、低価格に耐えられるような強い農家だけ生き残らせるなら、予算はゼロですむ。政府は農業予算を削り続けたいから、そういった視点しか持っていない。
縮小均衡から拡大均衡へ切り替えるべき
しかも結論において、「食料自給率向上にお金をかけるのは非効率なので、それを減らし、輸入を増やせ」と結んでいる。トランプ政権のイラン攻撃を目の当たりにして、いかに日本の食料危機への危機意識が驚くほど欠如しているか一目瞭然だ。
目下、ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、食料危機の発生リスクが高まっている中、日本の農業政策も「縮小均衡」から「拡大均衡」に切り替えなければ、日本の農業・農村も、国民の命も守れないことは明白だ。
農業振興こそ真の「国防」だ。ホルムズ海峡封鎖という事態で、政府が目を覚まさなければ、とんでもない事態が発生してしまうのではないか、早くから警鐘を鳴らし続けてきた筆者は強く憂慮している。


