高市政権は農業に金を使う気がない

この問題について筆者はこれまでも長年にわたりこの問題に警鐘を鳴らしてきた。このまま放置すれば、農家はこれから加速度的に減少する。地域コミュニティも崩壊し、いざというときに食べる国産食料がなくなる状況が生まれる。

これをギリギリ回避するためには、何らかの形で農家の所得を支援する政策が必要だろう。

だが高市政権は、「経済安全保障」を掲げ、「積極財政」をうたいながら、農業に予算を投入する気はないらしい。

農家の所得を支援する政策はやらず、近年不足気味で価格が不安定化しているコメでさえ、「需要に応じた生産」として、ますます生産を減らす方向に誘導するという。

これのどこが「経済安全保障」で「積極財政」なのだろうか。

このままの政策が続けば、いずれコメの生産が激減するタイミングが訪れるだろう。すでに、この1年でコメの輸入は1年前の95倍の水準まで増えた。万一食料輸入が止まれば「日本は飢餓に陥り一巻の終わり」という事態は遠くない。

ホルムズ海峡の封鎖と、政府の農業放置政策により、刻一刻とこうした状況が迫っている。

コメ備蓄量は「たった15日分」

日本のコメ備蓄量は約30万トンと、たった15日分しかない。一方、中国は1.5年分を備蓄しているとされる。

コメ備蓄量は「たった15日分」
写真=iStock.com/kaorinne
コメ備蓄量は「たった15日分」(※写真はイメージです)

中国並みはもはや無理だとしても、せめて1年分くらいは備蓄する必要があるのではないか。その場合、国内備蓄をあと700万トン程度増やす必要がある。

コメは主食として使い勝手がいい。炊いてご飯として食べる以外にも、米粉にすれば輸入小麦の代替品としてパンや麺に加工できる。輸入トウモロコシの代わりに飼料にすることも可能だ。さらにコメから採れるコメ油は、輸入品の油脂類の代替品になる。

ただ、コメは余ってはいない。そもそも、日本の食料自給率が低いということは、国産食料生産が足りていないことを意味している。海外からの調達リスクが高まっているなら政府としてはコメやその他の食料増産のために必要な予算措置を講ずるのが当然だ。