結婚後の姓をどうするか問題

高市は、山本と結婚するにあたって、山本から「姓をどうする?」と聞かれた。

夫婦別姓問題についての高市の主張は、「夫婦親子同姓という戸籍上のファミリーネームは堅持したうえで、『民法および戸籍法の一部改正法案』を提出して、仕事場での通称使用の利便性を高めよう」というものだ。

自民党内にも高市案として「戸籍上は夫婦親子が同姓であるという現行法を堅持。家族のファミリーネームは残すべきである。ただし、職場等での通称として旧姓使用を希望する届出をした場合には、各行政機関は通称使用の利便性に配慮する努力義務を負う」という案を提案していた。

婚姻届
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なぜ「高市」という旧姓で通した?

高市は、何も迷わずに言った。

「戸籍は『山本早苗』でいいし、せっかく結婚したんだから、大学や政治活動も『山本早苗』でやりたいな」

すると、山本に叱られた。

「それでは君が主張していた法案の内容を自ら否定することになるんだよ。戸籍名も仕事上の名前も『山本』にするなら、君は楽でいいだろうけど、現行法のままで良いと認めたことになるじゃないか。自ら家の外で通称を使ってみて、免許証や健康保険証以外にも不便な点はないかよく検証して、法案内容をもっと充実させろよ」

「わたしは、通称使用を希望している人が便利になればいいなと思って法案を書いただけで、自分自身は対外的にも『夫婦同姓』を希望しているんだよ。自らを実験台にして法案内容に追加すべき点を探せって言うの?」

喧嘩腰けんかごしになる高市に、山本は取り合ってくれない。

「これからも政治家として働くつもりなら、自分を実験台にするくらいの根性を持てよ」

結局、山本の説得ができぬままに結婚の公表となり、「戸籍を入れて、同姓夫婦となったが、通称を使うかどうかは検討中」という現状になった。

その後も、高市は通称として高市早苗を使い、活動していくことになる。