生徒のおしゃれの自由を広げる
わが校の校則を読み直し、改正すべきものがないか検討したところ、気になる項目がいくつか見つかった。
まず、女子生徒の前髪について、わが校の校則では「眉にかからないようにすべき」とされていた。この校則により、中学までマチマチだった髪型が、高校入学を機にいっせいに画一化していたわけだ。
全国の校則を調べてみると、「目にかからないようにすべき」とする規定があった。この規定は「眉にかからないようにすべき」とするものにくらべれば、ゆるい。しかし、そういうことではない気がした。
考え直して、従来の「眉にかからないように」という規定は維持しつつ、新たに「ヘアピンで留め、眉にかからないようにすることができる」という規定を追加することにした。生徒のおしゃれの自由を広げたいと思ったのである。
よくわからない校則は廃止
次に、服装である。
「夏期には夏服、冬期には冬服、それ以外には合服を着用すること」とあったが、本校にはリストカットの経験があり、手首の傷を気にして半袖の夏服を着るのを嫌がる女子生徒が数名いた。このため、季節を区切らず、「(制服の範囲内で寒暖に応じて)組み合わせて着用することができる」と定めることとした。
靴下については、女子生徒が「黒色や紺色のハイソックス」とされているのに対し、男子生徒は「白色、黒色、紺色の靴下」とされていてなんとなく不公平だと感じた。よく聞くと女子生徒は体育の時間は白の靴下に履き替えるという。ハイソックスに限定するから履き替えの手間が必要になるのだ。公平に、男女とも「白・黒・紺色の無地またはワンポイント、ワンラインの靴下」と定めた。
まだある。
通学バッグは、ファーストバッグとセカンドバッグの2種類あり、セカンドバッグだけでの通学は認められていなかった。しかし、指定のバッグにもかかわらず、単独で使うことが許されない理由がよくわからない。「ファーストバッグまたはセカンドバッグを使用することができる」とし、セカンドバッグだけでの登校(※10)を許可することにした。
※10 セカンドバッグだけでの登校
私の高校時代、通学用バッグとして学生カバンとスポーツバッグが指定されていた。私は教科書などをまとめてスポーツバッグに入れ通学していた。同年代の方ならわかってもらえると思うが、当時は「薄い学生カバンが格好いい」とされ、私も学生カバンをペシャンコに潰していて、辞書などは入らなかった。ところが、2年生になるとスポーツバッグのみでの通学は「校則に反している」と禁止された。担任の教師に抗議したものの撤回されることはなかった。結果として、私たちはスポーツバッグに加えて、何も入っていない学生カバンまで持たなければならなくなった。「勉強に熱心ではない生徒」はもともと教科書を学校に置きっぱなしにしてペラペラの学生カバンだけで通学していたため、このルール変更による影響を受けなかった。多少勉強していた私としてはこの理不尽さが許せなかった。

