「ちゃんとやれよ」は圧力になるだけ
職場は、ペップトークの効果がとても分かりやすく現れる場所です。プレッシャーに弱い部下や、会議になると急に黙ってしまうメンバーに、どんな声をかけるか。そこで、その人のパフォーマンスとチーム全体の空気が大きく変わります。
――プレッシャーに弱い部下に
大事なプレゼンや商談の前になると、顔がこわばってミスを繰り返してしまう部下がいます。そんなとき、上司としてやりがちなのは、
「ここで失敗したらおしまいだからな」
「ちゃんとやれよ、期待してるぞ」
と、結果だけを強調する声かけです。これでは、本人の頭の中は「失敗したらどうしよう」というイメージでいっぱいになってしまいます。
「結果より挑戦に価値がある」と伝える
ペップトークに切り替えるなら、まずは緊張を認めます。
「大事な場面だからこそ、緊張するよね」
「それだけこの仕事に本気だってことだよ」
と、震える気持ちに意味を与えます。
次に、その人の準備や実績を承認します。
「ここまで資料を作り込んできたの、ちゃんと見てるよ」
「この案件に一番詳しいのは、間違いなく君だよね」
行動面では、「全部完璧にやれ」ではなく、「どこに集中すればいいか」を絞ります。
「今日は、最初の3分だけ、落ち着いて話すことを意識しよう」
「ポイントは3つだけでいい。そこだけしっかり伝えよう」
最後に、激励のひと言です。
「うまく話そうとしなくていい。伝えたいことを、素直に出していこう」
「失敗しても一緒にリカバリーするから、思い切ってやってごらん」
大切なのは、「結果を出さないと価値がない」というメッセージではなく、「結果がどうであっても、君のチャレンジには意味がある」と伝えることです。
――会議が止まるときのNG声かけ
会議で意見が出ないとき、つい、
「何か言ってよ」
「何でもいいから意見出して」
と言ってしまうことがあります。
ところが、この言葉をかけられた側は、「何を言ったらいいのか分からない」「変なことを言って笑われたくない」と、ますます口を閉ざしてしまいます。
多くの人は頭の中で考えを巡らせていても、「これで合っているのか」と不安になり、発言ボタンを押せなくなってしまうのです。
ここでも、行動のステップを具体化することがポイントです。

