「ちゃんとやれよ」は圧力になるだけ

職場は、ペップトークの効果がとても分かりやすく現れる場所です。プレッシャーに弱い部下や、会議になると急に黙ってしまうメンバーに、どんな声をかけるか。そこで、その人のパフォーマンスとチーム全体の空気が大きく変わります。

――プレッシャーに弱い部下に

大事なプレゼンや商談の前になると、顔がこわばってミスを繰り返してしまう部下がいます。そんなとき、上司としてやりがちなのは、

「ここで失敗したらおしまいだからな」
「ちゃんとやれよ、期待してるぞ」

と、結果だけを強調する声かけです。これでは、本人の頭の中は「失敗したらどうしよう」というイメージでいっぱいになってしまいます。

会社のデスクで話をする2人の男性
写真=iStock.com/chachamal
※写真はイメージです

「結果より挑戦に価値がある」と伝える

ペップトークに切り替えるなら、まずは緊張を認めます。

「大事な場面だからこそ、緊張するよね」
「それだけこの仕事に本気だってことだよ」

と、震える気持ちに意味を与えます。

次に、その人の準備や実績を承認します。

「ここまで資料を作り込んできたの、ちゃんと見てるよ」
「この案件に一番詳しいのは、間違いなく君だよね」

行動面では、「全部完璧にやれ」ではなく、「どこに集中すればいいか」を絞ります。

「今日は、最初の3分だけ、落ち着いて話すことを意識しよう」
「ポイントは3つだけでいい。そこだけしっかり伝えよう」

最後に、激励のひと言です。

「うまく話そうとしなくていい。伝えたいことを、素直に出していこう」
「失敗しても一緒にリカバリーするから、思い切ってやってごらん」

大切なのは、「結果を出さないと価値がない」というメッセージではなく、「結果がどうであっても、君のチャレンジには意味がある」と伝えることです。

――会議が止まるときのNG声かけ

会議で意見が出ないとき、つい、

「何か言ってよ」
「何でもいいから意見出して」

と言ってしまうことがあります。

ところが、この言葉をかけられた側は、「何を言ったらいいのか分からない」「変なことを言って笑われたくない」と、ますます口を閉ざしてしまいます。

多くの人は頭の中で考えを巡らせていても、「これで合っているのか」と不安になり、発言ボタンを押せなくなってしまうのです。

ここでも、行動のステップを具体化することがポイントです。