理解できないことには必ず腹を立てる

あなたは最近、いつ怒りましたか? 怒ったとしたら、何に対して、どうして怒ったか思い出してみてください。

加藤俊徳『脳は右から若返る』(大和書房)
加藤俊徳『脳は右から若返る』(大和書房)

「何言ってんの?」
「わけ、わかんない!」
「意味わかんない!」
「信じられない!」

おそらく、怒ったときにこのような言葉が頭に浮かんだり、口にしたりしたのではないでしょうか。これらの言葉に共通しているのは、相手の言っていること、やっていることが理解できない、という意味でしょう。

理解系脳番地と感情系脳番地はリンクしているため、人は理解できないことに対しては必ず腹を立てます。白熱した討論でも路上の小競り合いでも放たれる、「何言ってんだ!」という「怒りの言葉」が、そのことを端的にあらわしています。

では、「理解」とはなんでしょう? たとえば耳が遠くなると「何言ってんだ!」という反応をします。ということは、頭が悪くて理解できないというだけではなく、入力系が十分に働かないとストレスになり、怒りの原因になるわけです。

また、歯が痛い、腰が痛いなどというときに出席した会議。そんなときに自分の意見と異なる意見を聞くと、怒りやすくなります。

その理由は、自分の思考系脳番地がすでにほかのこと(痛み)で占められているからです。会議で建設的な発言をしようとしているのに、思考系の9割が「歯が痛い」とか「頭痛がする」などで満たされてしまいます。「歯が痛くて考えに集中できない」という経験をした方も多いのではないでしょうか。

つまり、じっくりゆっくり考えるスペースが脳内にないと怒りやすくなるともいえるでしょう。

怒り=頭の悪い状態

見方を変えると、怒っているときは、すでに思考系脳番地に余計な酸素消費が起こり、実際に働くべき理解系脳番地を効率よく使えない状態です。

つまり、脳の酸素効率が悪くなっている状態といえます。頭が適切に働いていない状態、頭が悪くなっている状態です。

ですから、怒ったら「自分は今、頭が悪くなっている」と考えましょう。

自分の体調などによって、頭のいい状態と悪い状態が存在するということです。脳のバランスがとれていない状態・怒りやすい状態=頭の悪い状態なのです。

その最たるものが、いつも怒って人の話を聞かない人です。年を取ると怒りっぽくなるといいますが、それは自分で自分を頭の悪い状態にしているということになります。

【図表1】「笑っているとき」と「怒っているとき」の脳酸素交換量
出典=『脳は右から若返る』

そういう意味での「頭の悪い人」はいるわけですが、それは厳密にいうと「頭が悪い状態」ということです。

頭がいいと思われる人でも、怒りのために無駄に酸素を浪費して、頭が悪い状態になることもあるわけです。実際に、怒りを抱えている人の脳を計測すると酸素消費が思考系脳番地で増加して、脳の使い方のクオリティが悪くなっていることがわかります。

一方、笑いでは、思考系脳番地に酸素が充満しているので、柔軟な対応ができる思考の準備が整っていることがわかります。

頭をいい状態に保てないのは、認知症が進行している場合もありますが、忙しい、疲れている場合などは、自分でコンディショニングできるはずです。

ですから、私たちは頭のいい状態にしておくよう心がけることが大事です。頭をいい状態にするために必要なのが、脳のコンディショニングです。

そうすれば、頭のいい状態でテストに臨むこともできますし、頭がいい状態で物事を考えればいい仕事もできるようになるでしょう。

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