だが、技術的な成功とは裏腹に、親会社である東芝は2010年代半ば、米国原発事業の巨額損失により経営危機に陥る。債務超過を回避するため、グループ内で最も高い収益力を持っていたメモリ事業が売却の対象となった。2017年の「東芝メモリ」としての分社化、2018年の米ベインキャピタル主導のコンソーシアムへの売却を経て、2019年に現在の「キオクシア」へと社名を変更し、独立企業として再出発した経緯を持つ。
メモリ市場の不況、上場延期の迷走
しかし、再出発したキオクシアが歩んできた道のりは、決して平坦なものではなかった。むしろ、再上場に至るまでの数年間は、半導体市況の変動に翻弄された「苦難の歴史」であったといってよいだろう。
2020年10月に予定されていた最初の上場計画は、米中貿易摩擦の激化や市況の不透明感を理由に直前で中止された。その後も再挑戦の機会をうかがっていたキオクシアだが、2022年後半から2023年にかけて、メモリ市場は過去最大級の不況に見舞われた。
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