子どもの頃にやったほうがいいこと

プロローグのおさらいとなるが、お金持ちになる近道は、働きながら投資することだと言った。しかし、投資の元手となる「元本(種銭)」が少なければ利益も少ない。次の二人を比較するとわかりやすいだろう。

・元本100万円の人が年利10%で運用すると、利益は10万円
・元本1億円の人が年利3%で運用しても、利益は300万円

極端な例かもしれないが、まぎれもない事実だ。この差を埋めるには、節約してコツコツ種銭を貯めるのも一つの方法だが、もっと早いのは、「稼げる自分」に進化して、入金力を爆発的に増やすことだ。

本当のお金持ちは知っている。「100万円を5%で運用して5万円儲ける」よりも、「自分に100万円を投資して、年収を100万円上げる(利回り100%)」ほうが、圧倒的に速いということを。つまり、まずは自分に投資したほうが、リターンは多くなるのだ。

また、お金持ちは子どもたちに稼げる大人になってもらうために教育にもお金を使う。特に、お金を使うのは、体験教育だ。体験はスポーツでも、アウトドアでも、文化的な体験でも、なんでもいい。さまざまな体験は子どもの心を豊かにする。

体験を通して子どもはチャレンジ精神を学ぶし、失敗も経験する。そして、失敗から立ち直れば失敗を恐れない心も育つ。これを「自己効力感」と呼ぶ。価値のあるお金の使い方だ。

湖でカヤックを楽しむ2人の少年
写真=iStock.com/Imgorthand
※写真はイメージです

稼げる大人になるには「体験を増やす」

NPO法人「放課後NPOアフタースクール」によれば年収1000万円以上の家庭では60%以上が子どもになにか習い事をさせ、30%以上が夏休みに旅行やサマーキャンプなどをしている。これに対し、300万円未満では約70%が習い事をさせず、約90%が夏休みにサマーキャンプや旅行をしていない(※1)

上岡正明『資産7億円の父が子どもに伝えたい 本当のお金持ち入門』(大和書房)
上岡正明『資産7億円の父が子どもに伝えたい 本当のお金持ち入門』(大和書房)

また文科省の「令和5年度子供の学習費調査」(令和6年12月25日発表)でも子どもを私立校に通わせている家庭で年収1000万円以上だと、それ未満の家庭より学校外活動に使う費用がはるかに多いことが明らかになっている(※2)

「教育格差」という言葉を耳にすると、多くの人が「塾に行けるか、行けないか」という「座学の格差」を思い浮かべるが、本当は「体験の格差」にある。

確かに、生活に余裕がないと学校外活動になかなかお金をかけられない。だが、公園や公共施設などで遊んだり、地域住民向けの町内会が主催するイベントに参加したり、地域ボランティア活動をするなど、お金をさほどかけなくても、子どもに体験をさせることはできる。

さまざまな体験をさせるのは、子どもをお金持ちにする準備でもある。僕が君たちに、さまざまな経験をさせているのは、そのためだ。銀行に残したお金は使えば一瞬で消えるかもしれない。しかし、体験を通じて子どもの脳と心に刻まれた「自分ならできる」という自信は一生消えない。これこそが、親が子どもに残せる最強の資産だ。

〈参考文献〉
(※1)放課後NPOアフタースクール「小学生の長期休みの過ごし方 実態調査 2025」
(※2)文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」

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