国民会議では所得税減税と給付を組み合わせる「給付付き税額控除」の制度設計も協議する。首相はこれに賛同する中道改革や国民民主党、チームみらいなどに限って参加を求めるという。参加を断られた参政党の神谷宗幣代表は「どこに謙虚さや小さな声を聞く気があるのか」と反発を強めている。

政府・与党は、食料品消費税ゼロの27年4月スタートを目指すが、問題は財源である。首相は、補助金、租税特別措置の見直し、税外収入などを充てると言うが、2年間の9.6兆円をカバーできるはずがない。給付付き税額控除の導入にも、3.6兆円程度の財源が新たに必要で、消費税率を12%に上げないと制度が維持できないという試算もあるという。

一方で、2027年1月から防衛力強化の財源としての所得税増税が始まる。岸田政権の22年に防衛費を5年間で43兆円と算定した際、必要な追加財源14.6兆円は、税外収入の4.6〜5兆円強、決算剰余金の3.5兆円程度、歳出改革の3兆円強、法人税、たばこ税、所得税の引き上げの1兆円強で賄うとしたためだ。

防衛増税が控える中、食料品の消費税ゼロによって、財政悪化、金利上昇、円安が進行し、国民生活を一層圧迫するとの懸念もある。消費減税への世論の支持は必ずしも高くない。首相は混乱なく公約を実現できるのか。

仮に実現できても、28年夏の参院選を前に、29年4月に食料品の消費税を8%に戻すという公約を掲げられるだけの体力が、そのころの高市政権に残っているのだろうか。

2026年2月18日、第2次高市内閣発足の記念撮影
2026年2月18日、第2次高市内閣発足の記念撮影(写真=内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

「有権者に欺瞞性を見抜かれた」

中道改革連合は、党が分解する危機だったが、何とか再建の道を歩み始めた。

野田、斉藤鉄夫両共同代表が引責辞任し、2月13日の代表選で、小川淳也元立民党幹事長が、階猛元総務政務官との立民系同士の一騎打ちを27票対22票で制し、新代表に選出された。ベンチ入りがやっとの控え投手がいきなり実戦のマウンドを託されたようなものだ。

民主党政権で閣僚や党幹部を務めた、小沢一郎元民主党代表、岡田克也元代表(元副総理、元外相)、海江田万里元代表(元衆院副議長、元経済産業相)、枝野元立民党代表(元官房長官)、玄葉光一郎前衆院副議長(元外相)、安住淳中道共同幹事長(元財務相)、馬淵澄夫中道共同選対委員長(元国土交通相)らが悉く落選したためで、世代交代が加速した。

立民系の敗因は、安全保障やエネルギー政策を現実的なものに、選挙前に慌ただしく転換したことで、「有権者に欺瞞性を見抜かれた」(立民党関係筋)と分析されている。

小川新代表の優先課題は、党をどう存続させ、どう一体感を作っていくかである。

2月18日に発足した中道改革の新体制では、階幹事長・選対委員長(立民系)、岡本三成政調会長(公明系)、重徳和彦国会対策委員長(立民系)がバランスよく起用され、山本香苗代表代行(公明系)も決まった。

衆院副議長人事では、最終的に石井啓一元公明党代表(元国土交通相)に落ち着いた。小川氏が一時、泉健太元立民党代表に打診するなどして迷走したが、経験不足ゆえで、やむを得ないだろう。