“外国人”に向けられた冷たい視線
紙面を精査した八雲研究者の広瀬朝光は、こう記している。
当時の『九州日日新聞』を読むと、宣教師が教会を建てるために土地を購入するのを著しく非難攻撃し、土地を売ろうとする日本人を売国奴呼ばわりし、宣教師を即スパイと決めつけている。外国人が日本人妻を娶り街を散歩する様子を見て、日本人女性を姦淫し風紀を乱す毛唐連は、速やかに放逐すべしと新聞に論ずる時代でもあり、この風潮は熊本高等中学校の御雇外国人である、ヘルンにも、その矛先が何時向けられるのかわからない情勢であった。
ようは八雲が「『古事記』に描かれた日本神話の神秘が残る土地かあ」と期待して来てみれば、熊本は多くの人々が「この毛唐が、日本の女ば取りやがって、叩き出せ」とヘイトを向けてくるとんでもない魔境だったわけである。
……これは、熊本到着3カ月後からソフトランディングさせないと、朝の連続テレビ小説に似合わない。
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