「尻餅」が寝たきりの入り口になる

急性腰痛の中でも、高齢者が特に注意すべきは、背骨(脊柱)の圧迫骨折による急性腰痛です。シニアは日常のちょっとした動作でも背中や腰の骨を骨折しやすいのです。最も警戒すべきNG行動は尻餅です。脊柱は頭から骨盤の間にある頸椎や胸椎、腰椎、仙骨など、26個の椎骨が連なって構成されています。

なかでも、骨盤底筋の起点となる尾骨には骨盤を支える役割が、その上の仙骨は体幹を安定させ、さらに上の腰椎には体重を支える役割があります。尻餅による骨折はこの3つに生じやすく、骨折すると神経が圧迫され、つらい腰痛を引き起こすのです。

日常の少しの油断が危険と隣り合わせだと思ってください。例えば、玄関のたたきで靴を履いて立ち上がろうとしてうまくいかず、そのまま尻餅をついただけでも骨折するケースがあります。就寝中にトイレに起きようとしてバランスを崩し、布団の上で尻餅をついた場合でも、腰椎や仙骨を圧迫骨折することがあります。