「前屈みの姿勢」が背骨を壊す

脊柱管狭窄症以外にも、慢性腰痛を悪化させる習慣があります。

慢性腰痛の最大の原因は長時間の座りっぱなしです。椅子に座っているだけなら立ちっぱなしより腰に負担がかからないと思いがちですが、実は違います。椅子に腰かける姿勢は、立位よりも脊椎に大きな負担がかかるのです。中でも、浅く腰をかけ、背中を丸める姿勢は脊椎に強い負担がかかるので最もNGな座位姿勢です。

職場で椅子に座って背中の痛みに苦しんでいる女性
写真=iStock.com/AndreyPopov
※写真はイメージです

スウェーデンの整形外科医ナッケムソン医師は、立位の椎間板への内圧を100とし、別の姿勢と比較して数値化しました。この研究によると、寝た姿勢は25と負担が小さく、座った姿勢は140と立位より負担が大きい。

さらに、座ったまま前屈みになると内圧は185にまで大幅に上昇しています。また、立ったままの姿勢で荷物を持ち、膝を曲げずに前屈みになる中腰姿勢は220。立位の2倍以上の負荷がかかったとしています。

家の中でも、洗濯物を干す際など、床に置いたものを中腰で拾い上げる動作はシニアなら絶対に避けるべき。椅子や机の上に洗濯かごを置き、できるだけ中腰になるのを防ぐ対策が有効です。

そして、最も椎間板に内圧がかかるNG動作は、椅子に浅く腰掛けた状態のまま、床に落ちたものを拾う動きです。椅子に座ったまま、床に落ちた箸など物を拾うのが最も腰に悪いのです。

座ったまま前傾姿勢で物を持った場合、椎間板への内圧は275と最も高い数値となっています。椅子に座っているときは、面倒でも一度椅子から立ち上がり、中腰は避けて膝を曲げて拾うことで、腰への負担を軽減できます。椅子に座る場合は、深く腰掛け、座骨を垂直に立てる意識で背筋を伸ばすと腰への負担も軽くなります。

「カバンの片手持ち」が姿勢を歪める

また、外出時の荷物の持ち方にもNG習慣があります。

エコバッグなどの肩掛けの鞄を持って出かけるシニアは多いと思いますが、鞄を片方の手で提げたり、片方の肩に掛けて歩くのは姿勢が歪むNG習慣です。

リュックを背負うか、筋力に自信がない人はシルバーカートを使うのも腰に負担がかからずおすすめです。1つの袋に荷物を詰め込み過ぎず、2つに分けて両手や両肩で持つのも手でしょう。