高市の計画は頓挫する?

高市はトランプからの支持を受けていた。トランプは自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、高市を「強く、力強く、賢明な指導者であり、真に祖国を愛する人物」と評した。

トランプは2025年、高市が総裁選に勝利し首相になった際、高市を「大いに尊敬される、偉大な知恵と強さを備えた人物」と称賛した。それに対して、高市は「彼(トランプ)の温かい言葉をいただき、大変うれしく思っている」と述べ、「自由で開かれたインド太平洋地域を推進するために共に働けることを楽しみにしている」と語っている。

「トランプ大統領と共に、我々の同盟をさらに強く、より繁栄したものにし、自由で開かれたインド太平洋を推進するために共に取り組むことを心より願っている」

米ボストン大学のトーマス・バーガー教授(国際関係学)は「高市は、拡張的な財政政策と強固な国防という組み合わせを進めると約束している。日本経済は、少なくとも短期的には刺激を受けるかもしれないが、投資家が日本の赤字拡大にパニックを起こさなければの話である。日本の国債市場で売りが出て、円安がさらに進めば、高市の計画の多くは頓挫する可能性がある」と高市の政策について分析した。

「外交政策において、日本は非常に困難な環境に直面している。主な課題は、日中関係だ。高市の台湾に関する発言や歴史問題に対する立場(高市が再び靖国神社への公式参拝を進めようとする可能性が高いこと)は、中国の不興を買っている。トランプ政権は自民党の勝利を祝うだろうが、中国が経済的あるいは軍事的圧力を日本にかけた場合、アメリカは高市を支えるのか。もしトランプが2026年後半、貿易協定で中国の歓心を買うために台湾への関与を弱めるような動きを見せた場合、日本は孤立したように感じるだろう」

高市政権の最優先事項とは

エステベス・アベも本誌に対し「今後は彼女が何をするかが鍵だ」と指摘する。

「選挙の季節は終わった。今回の地滑り的な勝利は、高市に多くの政治的余地を与えることになる。最優先事項は、日中関係の修復であるべきだ。高市の軽率な発言によって、日中関係ひどく損なわれた。台湾が中国から攻撃を受けた場合の軍事対応への彼女の意欲に関する公的な発言が、中国を刺激したのだ。中国は対日経済制裁を強めており、日本経済はその影響で苦しんでいる」

今回の選挙の影響は、今後数週間で明らかになってくるだろう。高市は、国家安全保障および日本経済の現状を自らの政権における重要課題として掲げている。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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