関税政策は「日本のアメリカ離れ」を引き起こす

米ニューヨークタイムズは、日本では大雪の影響により一部の投票所が早期に閉鎖され、投票率への影響が懸念されていると報じた。中道改革連合の野田佳彦代表は、有権者の投票機会について懸念を示し、「投票できないということは民主主義の否定である」と警鐘を鳴らした。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)で日本政治を専門とするリチャード・サミュエルズ教授(政治学)は、高市が公明党に連立を離脱された際にすばやく対応し、日本維新の会に連立参加を打診したことが勝利に寄与したと本誌に語った。

また、トランプをはじめとする外国の指導者との関係が、高市をイデオロギー的に偏った存在と切り捨てにくくし、有権者の一部を安心させたと指摘。この勝利によって、高市は「自民党と日本維新の会が推進してきた、国家安全保障改革を実行する十分な余地」を得ることとなり、「財政拡張」への広範な支持を主張できるようになると分析している。

サミュエルズはほかにも、今回の選挙結果が東アジア地域におけるアメリカの利益にとって何を意味するのかについて、「もしアメリカの利益が、親台湾、反中国、そして日韓関係の安定にあると定義されるなら、アメリカはこの結果に満足するだろう」と本誌に語った。

「しかし、もしアメリカが今後も日本を含む同盟国に対して関税を課し続けるようであれば、高市の勝利は日本による『アメリカに見捨てられるリスク』への備えを加速させることになるかもしれない。結果的に、中国や韓国といった国と関係が強化されることになる可能性もある」

女性タカ派ナショナリストであることだけが唯一の売りだったが

米ワシントン大学の政治学者ロバート・ペッカネンは本誌に対し、高市の個人的な人気が勝因の一つだったと語った。それは、彼女が日本初の女性首相であること、保守派からの強い支持、そして外交政策をうまく扱っているとの印象によって支えられていた。

「これは自民党にとって大勝利であり、高市にとっても大勝利である」と彼は述べた。「だが、これは本当に大きな賭けだった」

ペッカネンはほかにも、高市が政治的正統性を「非常に大きく」延長した可能性がある指摘する。それは「日米安全保障同盟の継続性への強い支持を示すもの」であり、日米交渉における高市の立場を強化するものだと語った。

また、米シラキュース大学の政治学者マルガリータ・エステベス・アベは本誌に対し、高市が有権者の不満にうまく訴えかけることができたことに加え、「中国に立ち向かう」という公約が有権者に響いたことを勝因に挙げた。

「安倍晋三は首相時代、彼女や他の数人の女性タカ派ナショナリストを推した。女性タカ派ナショナリストであることだけが高市唯一の売りだった。しかし、今回の衆院選では、そのことが完璧な売りとなった。この売りは、不安定な状況にある日本に適したものだった」

また、自民党が若年層への訴求を目的にSNS上でのターゲティング広告に「多額の資金を投じた」ことにも言及している。

一方、立憲民主党の指導部が小政党である公明党との合併を決めたことも選挙結果に影響したとも指摘した。「(立憲民主党と公明党との)合併を有権者が嫌悪し、投票先がなくなった」