弁護士を立てて遺産分割審判を行うことに

白川家のように遺言書がない場合に行うのが、「遺産分割協議」です。誰がどれだけ遺産を引き継ぐのかを相続人同士で話し合い、全員が合意することで遺産相続を成立させる方法ですが、当然、白川兄弟の意見は真っ向から対立。顔を合わせる度に「あの時はああ言ったじゃないか!」と、長年の鬱憤が爆発し、殴り合いのケンカになってしまったそうです。

遺産分割協議が決裂した際、次に行うのが「遺産分割調停」です。調停委員を挟み、家庭裁判所での解決を目指す方法ですが、白川兄弟は調停も不成立となり、最終的には互いに弁護士を立てて「遺産分割審判」の場で強制的に結論を得ることになりました。聡さんと貴文さんは今も絶縁状態のままです。

対策は「遺言書」「生命保険」

まさに“争族”となってしまった白川兄弟ですが、このように家族が揉めないための相続対策を考えていきましょう。

対策の最初は、親に「遺言書」を作成してもらうことです。「法テラス」や、市区町村などの無料相談もあるので、作成方法などを相談するのもおすすめです。

2つ目は、「生命保険」です。受取人が指定できる点を利用し、たとえば、死亡保険金がそれぞれ500万円のA保険会社とB保険会社に親が加入。そして、A保険会社の受取人を長男、B保険会社の受取人を次男として契約しておけば、きょうだい間の遺産分割がスムーズにできます。

また、生命保険は相続税対策にもなる点でもおすすめです。生命保険の場合、「500万円×法定相続人の数」が非課税になるため、遺された子どもにとってありがたいのです。加えて、生命保険の非課税枠は、相続税の基礎控除とは別枠で利用できるのも大きなメリットでしょう。

相続税の基礎控除は2015年1月から大幅に引き下げられ、増税になっています。それまで「5000万円+(1000万円×法定相続人)」だった基礎控除は、「3000万円+(600万円×法定相続人)」に縮小されました。相続税というと「資産家にしか関係ない」と思われがちですが、相続税の課税強化により、幅広い人に影響が及ぶようになっています。

夫が亡くなり、妻と子1人で遺産相続する場合、「3000万円+(600万円×2)」=4200万円までが非課税となるわけですが、例えば夫が都内に持っていた物件を売却すれば、それだけで非課税枠を超過してしまうかもしれません。繰り返しになりますが、先程紹介した生命保険の非課税枠は、相続税の基礎控除とは別枠で利用できますので、上手に使っていただきたいと思います。

【図表1】相続税における基礎控除の改正
相続税の基礎控除はこんなに変わった