日本式のリクライニングに足りない点
特急用車両では回転式が必須で、後ろ向きに座るのを嫌がる利用者が多い。面白いことに、これは隣国の韓国でも同じだそうで、フランス方式を採用した韓国の新幹線では固定された後ろ向き座席の指定をすると、特急料金が割引されると聞いた。
日本の鉄道車両用の座席は、戦後の進駐軍との関係からか、アメリカの影響を強く受けているようである。そのためリクライニングも必須であり、背刷りが大きく傾くものが好まれている。
ヨーロッパではもともとがコンパートメントのレイアウトであったせいか、いまだに固定座席が主流であり、回転式はスペインのAVEくらいしか知らない。
ヨーロッパの固定式ではシート配置に向かい合いあり、片方に向いたものが並んでいる部分ありと、かなりランダムなアレンジがされている。また、リクライニングはないものもあり、あっても背刷りが後ろに倒れる日本式ではなく、背刷りの下部が座面と連動して前に出るタイプがほとんどである。
ドイツの鉄道車両用座席メーカーの人たちに言わせると、日本式のリクライニングは一見楽そうだが、背刷りが倒れるだけでは骨盤と背骨の関係が変動し、正しい座姿勢をとることができないものである、という。
“リクライニング声掛け論争“に終止符
近鉄のアーバンライナーネクストでは、この解消を図ってゆりかごシートを開発しているから、この意見も正しいかもしれない。しかし、長時間を過ごす座席は、常に同じ姿勢を保てるものではない。姿勢の変化を許容するゆとりのある座席が望ましいと考える。
リクライニングシートは後ろのお客に倒れ込むように作用するので、倒す際には声をかけることがエチケットとされているが気を使うこともある。
そこで「ひのとり」ではシェルタイプの座席として解決している。椅子が大きくなるのと背ずりの上部に隙間ができるのが難点であるが、優等列車では一つの解決法であろう。



