福岡発のミニスーパー「トライアルGO」が東京に相次いで進出している。「まいばすけっと」のライバルと呼ばれる同店だが、昼のピーク時になると客でぎっしり埋まり、近隣のコンビニからも人が流れていた。その理由を現地で探ると、従来の小売の常識とは異なる“異様な実力”の正体が浮かび上がった。フリーライターの宮武和多哉さんが取材した――。
「トライアルGO」看板
筆者撮影
「トライアルGO」看板

「まいばす」よりピンチな「コンビニ」

つい最近まで九州ローカルであった「トライアルGO」が、コンパクトな売り場ながら生鮮食品をたっぷり扱う「ミニスーパー」として、あっという間に都内に進出してきた。昨年11月に1号店をオープンして以来、わずか2カ月で4店舗に拡大。2月20日には練馬区に5店舗目のオープンも控えている。

ランチタイムを中心に各地の店舗を見る限り、オープン3カ月を過ぎてもにぎわいを保ち続け、他社の客をじわじわと奪っているようだ。

「トライアルGO」店舗
筆者撮影
「トライアルGO」店舗

そんな「トライアルGO」のライバルとして目されるのが、同じミニスーパー業態として首都圏を制圧しつつある「まいばすけっと」だ。しかし、この2社の競争は、ミニスーパー同士の争いにとどまらず、コンビニ業界にも影響を及ぼしている。それどころか、「自滅」というケースだって、有り得なくはない。

「トライアルGO」の何が既存の競合店を脅かしているのだろうか。違いは「弁当の差」「商品の価格」と言われているが、新店の中でも「まいばすけっと2軒・コンビニ7軒」という激しい競合に晒されている「トライアルGO中野中央5丁目店」を中心に、店内外を観察してみたところ……上記2点だけではない、「トライアルGO」に買い物客が流れてしまう理由が見えた。

今後の「トライアルGO」は、ミニスーパーとして「まいばすけっと」をライバルとしていくのか? さらに、コンビニに及ぼす影響と今後の動向も考えていこう。

朝・夕ともに集客力の差が目立つ

2025年12月12日にオープンした「トライアルGO 中野中央5丁目店」の50m先には、おなじミニスーパーの「まいばすけっと新中野駅西店」がある。2軒隣とあって、互いの玄関先から向こうの店に入る買い物客の顔が、はっきり見えるほどに近い。

「トライアルGO」と「まいばすいけっと」が近接している
筆者撮影
「トライアルGO」と「まいばすけっと」が近接している
【図表】トライアルGO・中野中央5丁目店付近
筆者作成
半径500m程度にミニスーパー・コンビニが密集する

さらに、東側の「杉山公園」交差点を挟んだ向かいには「まいばすけっと新中野駅前店」、おおよそ500m圏内にはセブン‐イレブン・ファミリーマート・ミニストップなどのコンビニ7軒。もちろん、スーパー・仕出し弁当店も複数あり……出店を決めた担当者様の度胸を褒めたくなるような激戦区だ。

そんな「トライアルGO」と「まいばすけっと」を中心に観察したところ、昼ピークの集客の差に驚いた。「トライアルGO」は昼ピーク時(12時過ぎ)を過ぎても人でぎっしり、店内は常時10人以上の買い物客で賑わっているのに対して、50m先の「まいばすけっと」店内の買い物客は、いても3~4人といったところ。どちらに入店するか決めていない買い物客も、両店にチラッと目線を切って悩んだうえで、高確率で「トライアルGO」に入っていく。

朝・夕方で見ても、どうやらおなじ傾向があるようで、現状では「ピーク時を中心に、トライアルGO圧勝」といった印象を受けた。なぜ集客力に差がついているのか? さっそく、入店して比較してみよう。