準備するのは1冊のノート

まず、ノートを左右に分割して、左半分には自分が不安を感じている状況について、右半分にはそれと関係がありそうな過去の記憶や感情を書く。

ノートに書く
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たとえばテストを1週間後にひかえて、不安で胸が苦しくなったとする。テストの準備を始めないといけないのに、不安が先に立って勉強が手につかない。この状況と気持ちをメモしてみよう。これがすなわち、自分の心を観察するということだ。

最初に自分の心を観察してみよう。

テストで失敗するのではないかという不安や、テスト勉強が進まないのではないかという不安が見える。さらには、もしかしたら自分には最初から頑張る意志がなくて、合理化の手段として不安を利用しているのではないかという疑いにも気づく。

このように、自分の心の状態を詳しく観察するのだ。

次に、こうした不安と関係のありそうな過去の経験を振り返ってみよう。幼いころの経験でもいいし、最近の経験でもいい。それらの経験が自分の無意識に影響した可能性がありそうだと思ったら、それらをメモしていく。

3カ月後に見えた“不安”の根本

最後に、少し時間をおいてからメモを分類しよう。

何か不安を感じるたびにメモをしておき、メモがたまったらそれらを分類していく。

① 不安になったときの状況、②不安の原因となった過去の経験、という調子だ。

そうすれば「ああ、この経験のせいでネガティブな無意識が生まれたんだ」という具合に、自分なりに問題を診断できるようになる。それが本当の原因かどうかはわからないにしても、自分を振り返るきっかけを作る、非常に効果的な方法であることは間違いない。

この過程を3カ月ほど続けた結果、自分がテスト前に不安になった理由がわかった。勉強したのに成績が悪いと、自分に失望してしまいそうで怖かったからだ。

寝ている男子中学生
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すっかり忘れていたが、中学1年生のときにそんな経験があったことを思い出した。その感情に耐えられず、この数年間、無意識のうちに失敗したらどうしようという不安を抱いていたのだ。

このことに気づくと気持ちがすっきりした。自分の感情をもっと客観的に見られるようにもなった。失敗への不安から勉強が手につかないことが、どんなに非効率的で情けないことか自覚できたのだ。もちろん、それで不安がすべて消えさったわけではない。だが、不安解消のメドが立ったことは明らかだ。