腸とうつ病や統合失調症の相関関係

習慣 腸を整える

腸と脳は、お互いに深く関与し合っていることが医学的にわかっており、それを「腸脳相関」と表現します。

実際に、腸内環境と認知症の関わりを示す研究も多くあり、脳の疾患であるうつ病や統合失調症などと腸内環境の関係性が示唆されています。たとえば、うつ病の人の腸内には、ビフィズス菌や乳酸菌などの良い腸内細菌が少なかったという報告がなされています。

腸には、「腸内神経そう」と呼ばれる脳と同じような神経ネットワークが存在します。このネットワークが情報を伝達し合い、消化液を分泌したり、腸の蠕動ぜんどう運動を促したりすることで、消化・吸収・排泄をうまく行うことができるのです。

そして、このネットワークが発する情報は、腸内に留まらず脳にも伝わり自律神経に働きかけます。

牧田善二『糖が脳を破壊する』(SB新書)
牧田善二『糖が脳を破壊する』(SB新書)

自律神経は、血圧や呼吸、体温などを整える神経でありながら、自分の意思ではコントロールできません。脳が疲れてしまうと自律神経失調症を起こし、体のあちこちに不調が生じます。

そういうときにも、腸内環境が良ければ脳をサポートしてくれるので自律神経も整っていきますが、腸の調子が悪ければ、ますます自律神経が乱れてしまいます。

こうしたことからも、脳の機能維持や精神状態の安定には、腸内環境を整えることが重要なのは間違いありません。

脳に限らず、腸内環境の悪化は、あらゆる疾患のリスクを高めると考えられており、普段から腸に良い生活を心がけることは必須です。

納豆、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品をこまめに摂ったり、適度な運動を続けたりと、自分にあった「快腸ポイント」を探してください。

現代人は食物繊維が不足している

習慣 食物繊維を適量摂る

野菜に多く含まれる食物繊維は、かつては「食べ物のカス」程度の認識しかされていませんでした。小腸で栄養として吸収されることなく、大腸まで届いて便として出てしまうからです。

しかし、今はその重要性が認識されています。大腸まで届くことで、腸内環境を整えてくれるのです。いわゆる「快便」の基準は人によってさまざまですが、できれば毎朝すっきりといい便を出したいところ。そのためには、普段の食事から適量の食物繊維を摂ることが望まれます。

食物繊維には、水に溶けない不溶性のものと、溶ける水溶性のものがあります。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が摂れる主な食材

筋っぽい野菜に多い不溶性食物繊維は、主に便のカサを増して便通を改善してくれます。そして海藻類やオクラなどネバネバした食材に多い水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサとなってくれます。

不溶性と水溶性の合計で、男性で1日20グラム、女性で18グラムの食物繊維を摂取することを厚生労働省は目標としていますが、実際には平均摂取量は15グラム程度と足りていません。

先に述べたように、腸内環境は脳の状態を大きく左右します。食物繊維不足を軽く見てはいけません。

とはいえ、摂り過ぎはお腹が張るなど、かえって腸内環境を悪化させますし、不溶性と水溶性どちらかに偏るのもNG。自分の体調をみながら、最適量をみつけてください。

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