不正を放置した企業が払う大きな代償

米プルデンシャルは、今回の問題で、通期の営業利益が3億〜3.5億ドル(約470億〜550億円)押し下げられるとの見通しだ。現在、問題の全貌は、依然として不透明とみられる。被害者の数、金額が増える可能性もあるだろう。90日の販売自粛で株価も一段と下落した。

私たち個人、そして企業にとって、プルデンシャル生命の問題は他人事ではない。私たちへの影響や、気を付けるべきこともある。まず、企業で不正が発覚した初期の段階で対応が遅れると、結果的に取り返しがつかなくなる。

東京・永田町にあるプルデンシャル生命保険の本社
撮影=プレジデントオンライン編集部
東京・永田町にあるプルデンシャル生命保険の本社

だれしも、都合の悪いこと、気まずいことは隠したい。それが人情だ。ただ、いったん、気まずいことを隠し始めると、ごまかしを重ねる。あるいは見て見ぬふりをしたり、無視したりする。最終的に、内部告発などで事態が明るみになった時には、対応が難しいことは多い。

「絶対にもうかる」なんてありえない

プルデンシャル生命は目先の利益を追い求めるあまり、不正を重ねる負のループに陥った。今回の問題発覚をきっかけに、投資運用業などの分野で金融庁への登録、認可を行わず、不正にビジネスを行った個人や業者が摘発される可能性もある。悪事はいずれ発覚する。であれば、対応は早い方がよい。

また、うまい儲け話はないということだ。プルデンシャル生命の公表資料や報道内容によると、不正を働いた社員は、「自分は投資のプロで損をしたことはない」「絶対にこの商品はもうかる」と喧伝した。必ず利益が出るという話法は、もともと法令に反する。

お金は命の次に大切だ。それをどう守り、殖やすかは自己責任である。リスクをとれば、損をすることも、利益を手にすることもある。過去の投資詐欺で、うまい話に乗った結果、自分の出した資金を100%回収できなかった事例は多い。

組織においては、不正発生のリスクを事前に抑えるルールの策定、モニタリング体制の整備は欠かせない。プルデンシャル生命の問題は、私たちに重要な教訓を与えてくれている。

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