オデッサでミサイルvs対空砲が始まった

私は直近でロシア入国をしており、パスポートにウクライナの敵国のスタンプが堂々とおされているので、別室送りの可能性が高いのではないか? と不安でしたが、質問すらなく終わってしまい驚きました。さすが日本国パスポートですね。ウクライナの支援国ですから優遇されているのか? などと勝手に解釈して先に進みます。

国境を越えてすぐにウクライナのオデッサという街で停車しました。ヨーロッパ最貧国のモルドバに比べて断然ウクライナの方が都会です。街灯もついているし道も綺麗で、トラムも走ってます。戦争中とは思えないくらい市内は綺麗で驚きました。

オデッサはウクライナでも主要な街のひとつですが、戦争当初はロシアからの攻撃を多く受けるエリアでもありました。オデッサを通過するのが今回の移動で一番のリスクだと予想をしていたのですが、それが的中します。

停車しているオデッサのバスターミナルで突然大きな爆発音が鳴り響き、対空砲を連射する轟音が間髪入れずに聞こえます。乗客が一斉に上空を見上げてスマホで撮影し出したので自分も見上げてみると無数のミサイルが上空を飛翔しそれを迎撃システムで撃ち落としたり、対空砲で対応している瞬間を見ました。これが人生で初めての実戦での攻撃の様子を見た瞬間になります。

夜間の軍事作戦。緊急フレア。信号ロケット。
写真=iStock.com/Anna_Anikina
※写真はイメージです

現地の人にとっては「いつもの光景」

花火とは違い腹に響くような重低音での爆発音や空が一気に明るくなるくらいのミサイルの炎など、その光景に震えながら見た記憶が鮮明に蘇ります。もう現地の人は慣れているのか、空を見上げつつもゆっくりコーヒーを飲む人や空すら見ないでスマホでゲームをしている若者など、もはやこれが日常化している感じに見えました。

バスの運転手は乗客に対して「皆さん大丈夫です! 攻撃が終わったら出発します」とミサイル音に負けない大きな声で何度も呼びかけていました。改めて、紛争地に来ていることを実感しました。

攻撃が落ち着いた瞬間を見計らってバスはオデッサを出発します。この先は下道ではなく約600キロ続く高速道路を中心にキーウへ向かってひたすら走ります。高速道路のサービスエリアとガソリンスタンドで何回かトイレ休憩があり、バスを降りて運転手と一緒にタバコを吸い談笑しました。ドライバーは2名体制で2名ともウクライナ人です。

ドライバーは自分を含めた数人の喫煙者の乗客に「キーウは安全だ。心配するな」と言っていたのが印象的でした。とても気さくで優しかったです。