ある意味ほほえましい中国人の信条

【熊倉】例えば「運命共同体」です。「人類運命共同体」という言葉が大好きで、「こう言えば、言われた国は中国のことを好きになってくれる!」と信じている節があります。ある意味、ほほえましい気もします(笑)。しかし、実際に中国の同調者は世界に少なくありません。

小泉悠『世界の大転換』(SB新書)
小泉悠『世界の大転換』(SB新書)

【津上】中国の勢力圏はハイブリッドだとも感じます。アメリカへの対抗として「人類運命共同体」的なスローガンを叫ぶという「勢力圏づくり」には、確かに重点が置かれています。他方で中国の歴史的な勢力圏の広がりがベースにあり、それはロシア勢力圏と共通します。

東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)、「◯◯スタン国」と接している地域(新疆しんきょうウイグル自治区など)やチベットについて、「あの辺には緩衝地帯がないといかん」という発想でしょうね。

緩衝地帯という発想の原型には、遊牧民に脅かされてきた歴代漢族王朝の記憶や広大な清朝時代の版図はんとの記憶がある。「清の版図は今の中国の勢力圏であってもいい」という発想があるとしたら、かなりロシアが考える勢力圏というものと一致しています。

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