「おくすりパクッとねるねる」の誕生
23年には初めて菓子以外の分野にも進出した。それが、服薬補助食品「おくすりパクッとねるねる」だ。薬を嫌がる子どもに楽しく前向きに服薬してもらおうと、「ねるねるねるね」の技術を生かして開発されたという。
実はこの商品は、多角事業を展開するクラシエだからこそ誕生したものだ。きっかけは、薬品事業の営業担当者が得意先の病院で「ねるねるねるねを使って、子どもの服薬をサポートする商品ができないか」と言われたこと。この声が、薬品事業から食品事業へと届けられ、いくつかの部門をたどって木下さんたちの部署につながった。
「知育菓子はスーパーマーケットが主戦場なので、私たちは病院や薬局の方々とお会いする機会がないんです。ですから、そうした方々の生の声が届いたのは本当に大きかったですね。開発に当たっては私たちも病院に伺って、直接ご意見をお聞きしながら取り組みました」
事業の壁を超えた協働
調剤薬局やドラッグストアといった販路を開拓する際には、薬品事業やトイレタリー・コスメティックス事業の担当者が持つ知見と人脈が大いに助けになった。こうした事業の壁を超えた協働がなければ、初の別市場への進出もなかっただろう。なお、発売した年、この商品は「日経優秀製品・サービス賞」の最優秀賞を受賞している。
24年には、「ねるねるねるね」の味と食感を再現したラムネ菓子も発売。そして26年は、40周年を記念して、歴代パッケージデザインのシール付き商品やSNSで募集した新フレーバー、アイスバーなどを続々と投入する。
売り上げが半減した過去の反省を踏まえて、近年は子どもを対象に定期的な嗜好調査も行っている。課題が見つかれば、味やパッケージの改良、プロモーションの変更といった対策をとってひとつひとつ潰してきた。すでに定番化した商品でも、定期的に細かなアップデートを繰り返しているという。

