ピーク時の半分まで売り上げが低下
これがヒントになって本格的な開発がスタートし、やがて初代の「ねるねるねるね メロンの味」が誕生。価格は100円だった。
当時の駄菓子としては高額だったが、練ると色が変わってふくらむ独創的な仕掛けが受けて初年度から大ブレイク。この年にピークの売り上げを記録したという。
しかし、ヒット商品の宿命か、売り上げは徐々に下降。90年代までは発売当初に近い数字を維持していたものの、2000年代に入ると下降が顕著になり、10年にはとうとうピークの半分にまで落ち込んでしまった。
ちなみに、クラシエでは05年に粉と水で本物そっくりなお菓子をつくれる「ポッピンクッキン」を発売し、07年には「知育菓子」を商標登録して同ジャンルの商品数を増やし始めている。
「売り上げが低迷したいちばんの要因は、発売から20年以上が経って子どもたちの味覚に合わなくなっていたこと。色の変化やふくらみにはどうしても酸味が必要なのですが、それがいつの間にか酸っぱすぎると感じられるようになっていたんです。加えて、健康意識の高まりから、色が変化する点が保護者の方々に『体に悪そう』とネガティブなイメージで捉えられるようになってきていました」
「体に悪そう」なイメージを変える
売り上げ回復には、味の改良とネガティブイメージの払拭という2つの課題を克服する必要があった。前者については、試行錯誤の末に酸味を抑えることに成功。一方、後者への対応は簡単ではなかった。
そもそも体に悪いというのは誤解で、実際は色が変わるのは自然由来の色素と酸味料の、ふくらむのは重曹とクエン酸の化学反応によるものだ。いずれも健康に害を与えるものではなかったが、当時、クラシエではこの仕組みを一切公開していなかった。なぜ変化するのかわからない不思議さこそが、ヒットの要因でもあったからだ。
とはいえ、その不思議さも年月が経つにつれて新鮮味を失いつつあったという。菓子に限らず、見慣れた定番商品より目新しさのある商品に惹かれる人は少なくない。ロングセラー商品には、認知度が高いがゆえに話題性が薄いという弱点もある。
守り続けてきた不思議路線が時代に合わなくなり、イメージの低下や売り上げの停滞につながっている。そう判断した当時の担当者たちが、議論の末に出した答えは「種明かしをする」だった。

