記者への誹謗中傷に対して、所属する企業が「法的措置を取る」と警告した声明文が話題となっている。ネットメディア編集者の城戸譲さんは「取材は個人プレーなのに、批判が出ると組織が出てくるアンバランスさが読者の反感を買っている。『ニュースステーション』で長年キャスターを務めた久米宏さんとは埋められない差がある」という――。
「記者への批判は法的措置」を匂わせた東京新聞
東京新聞編集局が出した声明文が、注目を集めている。1月26日に出された文面では、「記者が取材する様子を撮影した動画などを、侮辱的な言葉とともにネット上にアップする行為」があり、東京新聞記者もその対象になっているとして、場合によっては発信者情報開示請求や損害賠償請求、刑事告訴を含めた対応を取ると記載されている。
【記者への誹謗中傷行為に対しては厳正に対処します】…
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) January 26, 2026
社員を守る盾になるという、会社の姿勢を打ち出したものだが、ネット上の反応は芳しくない。加えて東京新聞は1月1日朝刊に掲載された特別報道部長のコラムについて、X投稿を本来の意図と異なる文脈で引用したとして削除・謝罪したばかりということもあり、批判的な論調は絶えない。
ただ、こうした「記者保護」の姿勢を打ち出しているのは、東京新聞だけではない。朝日新聞は1月27日、同日に公示された衆議院選挙を念頭に置き、2025年6月に発表した「選挙報道の基本方針」を踏まえた報道に務めると宣言。方針には、「取材・報道にあたる記者が誹謗や中傷を受けた場合は、法的措置を含めて、社として記者を守ります」といった内容も含まれていると、改めて告知した。
選挙報道をめぐっては、2025年7月の参院選直後、神奈川新聞がとある政党から会見出席拒否をされたとして、抗議声明を出していた。SNSを中心に、政治をめぐる論調が先鋭化しつつあるなか、メディアが「予防線」を張りつつあると言えるだろう。

