※本稿は、中島美鈴『会社でいちいち傷つかない 認知行動療法が教える、心を守り成果を出すための考え方と行動』(日経BP)の一部を再編集したものです。
部下にどう伝えて注意すればいいのか
取引先からの電話でそれを知って、青ざめることもあります。部下にどう伝え、どう注意すればよいでしょう。
「わからなかったらなんでも聞いて」とあれほど言っておいたのに、何にも聞かずに自己判断で仕事を進める部下に困っていませんか。一方で、自分で全く考えずになんでもかんでも、「ちょっといいですか」と質問してきて、こちらが仕事にならないという部下もいます。
管理職になると、自分の仕事以上に、マネジメントの負荷がかかります。そのぐらい誰かをマネジメントするのは大変なことです。自己判断してしまう部下を、マイクロマネジメントして、四六時中管理するわけにもいきません。パワハラにならないように気遣いながら、どう接したらよいのでしょうか。
これは上司と部下というだけでなく、「どうも話が伝わらない」と思った時にも応用できるテクニックです。
・部下が自己判断して勝手に仕事を進めてしまう
・部下をどう指導していいかわからない
どのプロセスでつまずいているのか
物事の捉え方(認知)や対処の仕方(行動)を見直す、認知行動療法では、カウンセリングの際に、まずアセスメント(客観的にみて判断・評価すること)をしてから、その人の「ここがうまくいっていない」というところを見つけ、介入していきます。ここでは、その手法を活かします。
人間の一連の思考の流れを「情報処理モデル」という見方で見ていきます。情報処理モデルとは、人の認知を「情報の入力→処理→出力」という三つのプロセスで捉えたものです。処理には、判断、推理、意思決定などが含まれています。今回の状況をこの三つのプロセスで分解してみます。
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処理 自分なりに考えたがわからず、上司に確認しようとした
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出力 上司に確認した
三つのプロセスすべてが滞りなくできていれば、部下が自分勝手に判断することはないわけです。このどこかが抜け落ちていると、質問しない、あるいはできない、ということになります。
ツバサさんは、部下にヒアリングして、どのプロセスに支障が出ているのかを聞く必要があります。

