「イオンのお葬式」とAmazon「お坊さん便」の衝撃…現代日本人にとって葬式とは何なのか?「葬祭業者からは批判が…」(島田 裕巳/Webオリジナル(外部転載)) 『無縁仏でいい、という選択 墓も、墓じまいも、遺骨も要らない』より#2

父親を火葬したら「しきたりに反する」と非難され…「土葬」が当たり前だった西日本のある町で起きた“まさかの炎上”〉から続く

様々な反応を呼んだ「イオンのお葬式」そしてアマゾンの「お坊さん便」とは一体どんなサービスなのか。

ここでは、宗教学者の島田裕巳さんが葬式や墓の在り方について、前提に疑問を投げかける『無縁仏でいい、という選択 墓も、墓じまいも、遺骨も要らない』(幻冬舎新書)から一部を抜粋して紹介する。(全3回の2回目/続きを読む)

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「イオンのお葬式」とアマゾン「お坊さん便」

地方では、都市以上に人口の減少が進んでおり、それは檀家の数が減り、寺が立ち行かなくなることを意味する。神社の場合だと、基本的に神職はそこに住んでいるわけではないので、無住でも存続し、他の神社の神職が兼務することができる。寺院でも兼務はあるが、葬式や法要はいつあるかわからず、兼務が難しいこともある。

檀家でさえなければ、仏教式の葬式を選択しなければならない理由はなくなる。葬式に、導師として僧侶を呼ぶ必要はないのだ。

ところが、特定の菩提寺がないにもかかわらず、葬式を仏教式で営む家がある。それは、前の章で見たように、主に一般葬を選択したときだが、身内だけで済ませる家族葬でも、僧侶を呼ぶことはある。

その際に、多くの家では、葬祭業者に僧侶を紹介してもらっている。他に手立てがないからだ。

スーパーマーケットチェーンの大手であるイオンが、イオンライフという子会社を作り、カード会員向けに葬式のサービスを行うようになった際には大きな話題になった。

いわゆる「イオンのお葬式」である。

なぜ話題になったかと言えば、とかく不明瞭であった葬式の料金の明瞭化をはかったからである。その点について、他の葬祭業者からは批判があった。

イオンライフでは、僧侶の紹介も行っている。ここでも布施の金額の目安が示されている。ちなみに、2025年6月1日現在、その目安は、火葬式(直葬)で6万5000円から、一日葬で9万5000円から、一般葬と家族葬で18万5000円からである。

その布施にはすべて普通戒名が含まれる。院号のつかない戒名のことである。

結婚式場の中には、ヨーロッパの大聖堂を思わせる立派な建物をたて、そこで結婚式を執り行っているところがある。こうした会場で行う結婚式は、一般に「キリスト教式」と呼ばれる。