現地でのお心くばり
たとえば敬宮殿下は異例の厚遇として、晩餐会でおことばを述べる機会を与えられた。この時、おことばの内容が周到なご配慮と格調の高さを感じさせたことはもちろんながら、通訳がラオス語に翻訳している間にも、穏やかなご表情で会場の参加者に目を向けて、ご自分のメッセージが人々にどのように受け止められているかを、感じ取ろうとされていた。これは、出席者たちと誠実に向き合う姿勢とともに、心に余裕がなければできない振る舞いだ。
また、敬宮殿下が次に移動される近くの場所を伝えた現地の男性に対して、その一瞬すらお座なりにされず、しっかりとその人にお顔を向けてほほ笑まれ、感謝の気持ちを伝えられた。殿下が通りすぎられた後に、その男性がいかにも幸せそうな笑顔を浮かべている映像が、話題を呼んだ。
あるいは、日本のNPO法人が開設した「ラオ・フレンズ小児病院」を見舞われた時、入院している子どもから象のぬいぐるみを贈られた。その後、敬宮殿下のご移動に合わせて、側近の者が何人か、次の場所でそのぬいぐるみが邪魔にならないように気を遣って、途中で受け取ろうとしても、すぐには渡されないで、優しく抱き続けておられた。子どもの好意をないがしろにされない殿下のお気持ちがよく表れていた。
国際的な存在感
現地で大きな共感を呼んだ殿下のお姿は、もちろん国内でも好意的に受け取られた。宮内庁公式インスタグラムに投稿された現地での写真には、計170万件以上の「いいね」が付いている。
さらに今回のラオスご訪問は、敬宮殿下の存在感が国際的にも高まるきっかけになった。海外メディアでは、天皇皇后両陛下のお子さまなのに、単に「女性だから」というだけの理由で皇位継承資格を認めない時代錯誤なルールが、日本ではいまだに残っている残念な事実も紹介されている(AP通信12月1日配信など)。
私も海外メディアの取材を受けることがある。しかしその時は、皇位継承ルールの立ち遅れについて、しばしば恥ずかしい思いをしている。

