「貴重な休日」のご公務

殿下がこの式典にお出ましになった事情について、メディアでは「社会福祉に関心があり、日本赤十字社でボランティアなどの仕事に携わっている愛子さまは、能登半島の被災地などを度々訪問されています。こうしたことから大学側から出席の願い出があった」(ANNnewsCH 12月14日配信)などと報じていた。

同大学で、この種の式典に皇族をお招きしたのは、敬宮殿下が初めてだった。ならばこの時も、皇族を招かない形の式典だって当然あり得たはずだ。

そのことを考えると、ひょっとして大学関係者の中に誰か殿下の作文のことを知っている人がいて、このたびの式典に最もふさわしい来賓として、とくにお招きする運びになったのかもしれない。

それにしても、この日は日曜日だった。日本赤十字社に務めておられる敬宮殿下にとって、貴重な休日のはずだ。

しかし、敬宮殿下は自ら「ご公務とお仕事の両立」という難しい選択をされている。今回も宮内庁を介した大学からのオファーを、こころよくお受けになられた。

皇族として、つねに他者への献身を心がけるお姿に頭が下がる。

初海外訪問は「大成功」

敬宮殿下のご公務への取り組みにとって、大きな飛躍となったのは今年の11月17日から22日までのラオスご訪問だった。

何しろ初めての海外公務だ。しかもラオスは王制を倒し、社会主義革命を起こした国という事情もある。

天皇陛下が皇太子時代にすでに訪問されたことがあったとはいえ、事前には「大きな試練」(島田裕巳氏)という見方もあった。

だが改めて述べるまでもなく、ご訪問は大方の予想をさらに上回る、大成功だった。

まず、君主や大統領などの「国賓」に準じる待遇で迎えられたことは、同国が敬宮殿下のご訪問をいかに重視していたかを物語る。

敬宮殿下はご成年の記者会見で、ご自身のことを「人見知り」と打ち明けておられた。しかし、ラオスの国家元首のトーンルン・シースリット国家主席との一対一の会談の席でも、終始笑顔をたやさず、細やかな配慮を示しつつ、落ち着いて堂々と対応された。

ほかにも印象深い場面がいくつもあった。