進展はまったく見られない
しかし、この計画はまったく進んでいない。実のところ、この『豊洲・晴海開発整備方針』に記された計画はかなり実現している。環状2号線の延伸は築地大橋の開通で実現。その先の有明方面への道路と橋梁の整備、豊洲と有明間の道路整備も、おおむねこの時の計画の通りに進んでいる。ところが、なぜかこの計画だけは完全に放置されている。
東京都の会議録をみると、具体的な動きについて言及しているのは2003年11月の建設・住宅委員会が最後だ。この時は、道路建設部長が晴海住民から寄せられた交通量の増加による、環状3号線の延伸請願について説明。「臨海部の開発動向などを勘案の上、整備時期や施工方法などに検討を進めてまいります」としている。
もちろん、東京都としても、この計画を放棄しているわけではない。2016年の「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」をみると、この延伸計画は今後10年間に優先的に整備すべき路線のひとつとして掲載されている。
ただ、この「優先的に整備」というのもけっこう眉唾だ。優先整備路線は区部で都が施行するものだけで75路線。さらに区が施行するものが92路線ある。これにさらに多摩地域も加わり優先整備路線は都の施行だけで139路線ある。正直なところ、優先的に整備するとして登録している路線のうち、条件の整ったものから整備していくということだろう。
整備が進まない最大の要因
実際、この部分の整備が進まない理由は、いまだ湾岸地域が開発途上にあることが大きいようだ。
中央区議会の2020年6月決算特別委員会では、この問題についての議事が行われているが、この中で区環境政策課長は「環状3号線、都市計画道路の計画がございますけれども、そういったものも計画されているということで、今後、まだまちの様相も変わってくるのではないのかなと認識しているところでございます」と発言している。
中央区はかねてより、晴海通りの地下を走る地下鉄臨海新線の実現を求めてきた。現在、この計画は進行途上。これに併せて、勝どき周辺では新駅はどこにできるのか、それに呼応して再開発を実施するのかが大きな話題になっている。
最近では、再開発準備組合が、デベロッパーが作成した勝どき2丁目交差点の東(晴海方面)にタワーマンションを4棟建てる構想を説明したりもしている。こうした新駅の位置も絡む再開発計画がまとまらないと、道路整備にも着手できないというのが実情だろう。
なにより従来の計画では、環状3号線は勝どき2丁目交差点で晴海通りと交差する構造だ。現在でも渋滞が著しい晴海通りと交差すれば、待っているのは交通地獄である。前述の中央区議会の会議録で区側が頻繁に「地下空間の活用」という言葉を用いているところをみると、既に地下で立体交差をさせる構想もあるのかも知れない。


