中国企業の買収で消えた未来

「でもあんなうるさい機械に家の中をうろうろされたら困るよ」
とか、
「うちは床の上は物だらけでルンバはとてもじゃないけど移動できないよ」

と思う方もいるかもしれません。でも大丈夫です。ルンバから掃除機能を取り除けばもっと小さな家庭内コントロールロボットに生まれ変わります。

未来のアメリカの家庭ではそうやって家の中をうろついているルンバにウーバーイーツの注文を頼んだり、キッチンでご飯ができたらルンバに子供部屋の子どもを呼びにいかせたり、ルンバをスピーカー代わりに気の利いた音楽をかけさせたりと、なんでも便利にAIエージェントの仕事を頼むことができます。うっかり居眠りしているとスケジューラーと連動しているルンバが起こしに来てくれたりもするでしょう。

そうなればアメリカ市民も生活は便利ですし、アマゾンはルンバというデバイスを武器に、スマホとは違った切り口でサービスを広げられたことでしょう。

アメリカのメディアではルンバが中国企業に買われたことと、アマゾンに売らなかったことについて、政治の失策だという論調が目立ちます。確かに中国企業になったルンバに、アメリカの家庭内の情報は一切与えたくないと考えるアメリカ人は少なくないでしょう。

このように今回の事件は、西側世界が得られたかもしれない未来のオプションがひとつ消えたことを意味するニュースなのかもしれませんね。

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