投稿=データ、リピート=進化の循環設計

スターバックスがブランドを維持・進化させ続けている理由の一つに、「顧客の反応を読み取る力」があります。SNSで投稿されたドリンクやタンブラーの写真、コメントやタグの傾向は、次のマーケティングに活かされる「データ」として蓄積されます。桜をモチーフにした限定商品は、春になると自然に増える「桜×スタバ」投稿の傾向を踏まえて定着した好例です。

平野 敦士カール監修『すぐに使えるビジネス教養 マーケティング』(フォレスト出版)
平野 敦士カール監修『すぐに使えるビジネス教養 マーケティング』(フォレスト出版)

つまり、顧客が発信する無数の感覚的反応が次なる施策の土台となり、スタバブランドの継続的な刷新へとつながっているのです。

ここにもプライミング効果が存在しています。香りや音、ビジュアルの記憶が、ふとした瞬間に「また行きたい」と思わせるトリガーになっているのです。そして再訪した客が再び投稿し、さらなる反応を生む――。

この循環こそが、「飽きられないブランド」をつくる秘訣であり、プライミング戦略の理想形でもあるのです。

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