STEP3●スモールステップを実践して少しだけ改善する

何事も急激に大きく変わろうとすると失敗する。失敗すると自責の念に駆られ、かえって逆効果を生むこともある。

臨床の現場でも「スモールステップの原則」という言葉があり、小さく具体的な行動を実践することが鉄則とされている。

例えば、あなたの食事マナーが非常に見苦しく、特に女性から嫌われているとしよう。どうするべきか。

一念発起してテーブルマナー教室に通ったりするのは大きな間違いだ。食事マナーは幼い頃からの習慣が強く影響するため、今さら一流のマナーを身につけるのはあきらめたほうがいい。授業料が消えて恥をかくだけで何も残らない可能性高い。

では、「女性の前でパスタを食べるときに音を立てるのはやめる」というスモールステップならばどうか。うどんや蕎麦は豪快にすすってもいいし、男性の前だったら何も気にしなくていい。行動変化をこの程度に限定すれば、比較的簡単に実践できるはずだ。

実践し、自分の変化を実感できるようになれば、それが自信となりいつの間にか習慣になっていく。

自分は嫌われているかもしれない、という自覚を持つことだけでも素晴らしい。常人にはなかなかできることではない。しかし、大変身して人気者になろうとしても無理が生じるだけだ。

小さく、具体的に、少しずつ変わっていこう。そんなあなたの姿勢を嫌う人は誰もいない。