ミス・ユニバースを揺るがす騒動が起きた。タイの大会責任者がメキシコ代表を公然と叱責し、侮辱する様子が世界に配信されると、会場の各国代表らは抗議の意思を示すように一斉退場。スポンサーの撤退やイベント中止が相次ぎ、責任者は翌日、涙ながらに謝罪した。この問題を海外メディアは相次いで報じている――。
ミス・メキシコ代表のファティマ・ボッシュさん
写真=EPA/時事通信フォト
2025年11月5日、タイのバンコクで行われたミス・ユニバース2025のイベントでステージに登場したミス・メキシコ代表のファティマ・ボッシュさん

「お前は愚か者」ライブ配信中にメキシコ代表を叱責

ミス・ユニバースを決定する国際大会が11月21日まで、今年はタイの首都バンコクで開催された。その最中、本選前に行われた11月4日の祝典イベントの場で大会責任者が放った暴言が波紋を広げた。

各国の予選を勝ち抜き、タイでの本選に集まった約75人のミス各国代表を集めた説明会の場。ミス・ユニバース・タイの大会責任者であるナワット・イサラグリシル氏が、マイクを通じて特定の出場者を叱責した。

当時、ナワット氏は出場者が集まる広間の前方に立ち、タイでの大会プロモーション活動について説明していた。

英BBCなどが報じた複数の映像によると、その最中に彼は突如、「OK、メキシコ、どこにいる?」と探し始めた。

その後、メキシコ代表のファティマ・ボッシュさんを立たせ、名指しで叱責。この一部始終が報道陣のカメラに収められたほか、ライブ配信映像を通じて世界へ拡散された。参加者への敬意ない対応が国際問題となっている。

「聞け! 私がまだ話している」

ナワット氏を苛立たせたのは、式典前に行われたスポンサー向けの撮影イベントでの一件だ。

このイベントに欠席していたボッシュさんに対し、ナワット氏は多くの各国代表らのなかで彼女だけを立たせ、「カメラの前で説明しなさい」と問い詰めた。

ボッシュさんは控えめな声で「公の場で問い詰められたくありません」と述べ、個別の話し合いで誤解を解きたいと示唆。だが、ナワット氏は聞く耳を持たず、彼の怒りはエスカレートするのみだった。

メキシコの国内責任者が意図的にプロモーションを妨害したと示唆し、「もしあなたが国内責任者の命令に従うなら、あなたはdumbhead(愚か者、馬鹿者)だ」と述べた。

25歳のボッシュさんは抗議しようとしたが、数回のやり取りを経て、ナワット氏はさらに高圧的な態度に変化。強い調子で「あなたには話す機会を与えていない」「聞け! 私がまだ話している」とマイクを通して命じた。

報道によると、プロモーション活動に関して大会組織間で認識に齟齬があったという。メキシコの国内責任者は、プロモーション活動は義務ではないと認識していた。ボッシュさんとしても、出席が必須だとは知る由もなく、別の撮影イベントを優先していた。