■国際金融システムの暗部を描く

『カジノ資本主義』
    スーザン・ストレンジ/岩波書店

30年以上も前に、米国一極支配がもたらす金融主導のマネーゲームをカジノ資本主義と呼び、警鐘を鳴らした名著。ルールなき資本主義の問題点は何か、どんな代替案が求められているのか――。グローバル資本主義のカジノ化についての本は数多くあるが、本書はその原点的な存在。いまだ色あせず、基本的かつ重要な視点を与えてくれる。

■人はなぜバブルを求めるのか?

『新版バブルの物語』
    ジョン・ガルブレイス/ダイヤモンド社

17世紀から現在に至るまで、東西で繰り返されるバブル発生と崩壊の過程を描きながら、人間はなぜ「バブル」を求めるのかについて考察し、資本主義経済の根幹に迫る。目指すべき資本主義のあり方について語る前に、資本主義の原点を理解するために読んでおきたい1冊。資本主義の病理を戦前から研究してきた人物だからこそ説得力がある。

■エネルギー問題の超話題作

『探求(上・下)
    ダニエル・ヤーギン/日本経済新聞出版社

エネルギーを軸にすると世界の動きが面白いほど見えてくる。日本はもちろん、世界でも喫緊の課題であるエネルギー問題の歴史を体系的に描いた力作。脱原発か原発推進かといった二者択一的な議論ではなく、世界史的視野の中でエネルギー問題を捉え、バランス感覚を持って議論する必要があることがわかる。寺島氏が今、最も勧める話題の書。

日本総合研究所理事長 寺島実郎
1947年、北海道生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、三井物産に入社。米国三井物産ワシントン事務所長、同社戦略研究所所長などを経て現職。多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長。『脳力のレッスン』『二十世紀から何を学ぶか』ほか著書多数。
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(構成=山本信幸)