転職者がすぐに辞めてしまう会社にはどんな特徴があるのか。採用コンサルタントの内藤貴皓さんは「優秀集な転職者を逃さないためには、入社1日目の対応がとても大切。しかし入社直後から放置し、上手に歓迎できない会社が多い」という――。

※本稿は、内藤貴皓『採用大全』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

歩道の段差に頭を抱えて座り込むビジネスマン
写真=iStock.com/SARINYAPINNGAM
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自分の席がない…転職1日目の失望

「入社初日、誰も私のことを知りませんでした」「PCもなく、席もなく、何をすればいいか分からず、一日が終わりました」「歓迎されている感じが全くしませんでした」

転職者から、こんな悲しい話を何度聞いたことでしょうか。

せっかく優秀な人材を採用しても、入社後の受け入れ体制が整っていなければ、すべては水の泡です。砂漠で苦労して水を手に入れ、大切に運んできたのに、最後に汚れた容器に入れてしまう。

これほどもったいないことがあるでしょうか。

これまで数百人の転職者から、入社後の体験を聞いてきました。その中で、驚くほど多くの人が、入社初日の失望を語ります。期待と希望を胸に出社したのに、待っていたのは準備不足の現実。この瞬間に、多くの優秀な人材の心が、会社から離れ始めるのです。

新入社員を傷つける残酷なメッセージ

入社初日の準備不足は、単なる事務的なミスではありません。それは、その会社の「人材に対する姿勢」を如実に表しています。

「あなたを大切に思っていない」「あなたの入社を楽しみにしていなかった」「あなたは重要ではない」準備不足が発するメッセージは、こんなにも残酷です。

考えてみてください。大切なお客様が来社するとき、どんな準備をしますか? 会議室を整え、資料を用意し、お茶を準備し、笑顔で迎えますよね。

それなのに、これから一緒に働く仲間に対しては、何の準備もしない。この矛盾に気づいていない企業があまりにも多いのです。

「忙しくて準備が間に合わなかった」という言い訳をよく聞きます。しかし、これは優先順位の問題です。新しい仲間を迎えることより重要な仕事が、本当にあったのでしょうか。

せっかく採用した人材を失うリスクと、目先の業務を少し後回しにすること、どちらが重要か。答えは明白です。