なぜジョブズやザッカーバーグは、重要な会議を歩きながら行ったのか。天才たちの習慣には科学的根拠があった。歩けば若返り、アイデアは生まれる。ジム通いや厳しい筋トレは不要。人生が変わる「歩く」力とは。
横断歩道を渡る人々の足元
写真=iStock.com/paprikaworks
※写真はイメージです

慢性的な腰痛は改善し集中力は格段にアップ

夜しっかり寝たはずなのに疲労が回復しない、休日ゆっくり過ごしたのに月曜から体が重い、昔に比べて集中力が落ちた……。そんな悩みを抱えつつ、「年だからしかたない」と諦めてしまってはいないだろうか。

池田光史(いけだ・みつふみ)
池田光史(いけだ・みつふみ)
​経済ジャーナリスト。東京大学経済学部卒業後、ビジネス雑誌編集者を経て、2016年よりNewsPicks編集部に参画。現在、NewsPicks CMO(Chief Media Officer)。取材をきっかけに、「歩く」ことを探求して記した著書『歩く マジで人生が変わる習慣』が評判。(近影撮影=洞 将太)

「まさにそれ、『歩く』楽しみに出合う前の僕の状態でした」と苦笑するのは『歩く マジで人生が変わる習慣』(NewsPicksパブリッシング)の著者、池田光史さんだ。

「40代に入ってから、もはや週末にダラダラ休んでも回復しない体になったんだと気づきました」

長年、週刊誌やウェブメディアの記者として現場を飛び回ってきた池田さんは、役員になって以降、社内でのデスクワークが増え、むしろ「疲れ」が蓄積していったという。日々、判断や決断に迫られる機会は増えたのに、日中眠気に襲われたり、集中力が持続しなかったりすることも増えた。

ところがある日、一足の靴と出合う。そのシューズメーカーの名はアルトラ。当時、名だたるメーカーがヒールの高い厚底靴を生産し、後退した人類の土踏まずを支えるべく高機能化を推し進めるなか、むしろソールをフラットにし、足裏が大地をしっかりつかめる感覚を取り戻そうと、2009年にアメリカで創業されたメーカーだ。

池田光史『歩く マジで人生が変わる習慣』(NewsPicksパブリッシング)
池田光史『歩く マジで人生が変わる習慣』(NewsPicksパブリッシング)

「出合いは偶然で、たまたまモデルさんが履いているのを見てカッコいいなと(笑)。だけど何気なく履いてみたら、それまで僕が経験してきた靴とはまるっきり異なっていて驚きました」

通常のスニーカーは、前に進む推進力を出すため、かかと部分が高くなるよう傾斜をつけている。だがあえてそのかかと部分を切り落とした同社の「ゼロドロップ」タイプは、歩行に必要な足の筋力を正しく使うことで怪我が減ると話題になった。

「なにより驚いたのは足の指が自由に動かせること。指の一本一本が大地をつかみ、力強く歩いて行ける。これまでビジネスパーソンたる者、立派な革靴を履くのがマナーと信じ込んできた固定観念を覆されました」

以来、デザイン重視の靴はすべて手放し、本当に自分に合う靴を選び、街や山を歩き始めたという。

実はこれまで、運動不足を自覚してランニングやジムなど、一通り「デキるビジネスパーソンっぽいこと」を試みてきた池田さんだが、どれも続かず、ジムも解約したという。