凡才が天才に勝つ方法

ただ、お掃除ロボットにはないけれど、私には備わっているものがひとつだけあります。「面白そうだから挑戦したい」という自らの「内なる声」です。私の行動がお掃除ロボット化したのも、それに従った結果なのでしょう。何事も誰かに押し付けられてやっているわけではないというのが重要で、だからこそ、いろいろな困難も乗り越えることができるのです。

自分で何事かを選択してみて、まずはやってみる。うまく行けばよしで、うまく行かなかったら、別の方法を考えて試して、うまく行くまで簡単には諦めない。天才ではない人間が、天才並みの業績を上げる方法はこれしかないでしょう。

私はごく普通の人間です。むしろ小学校時代は転校につぐ転校で、落ちこぼれに近い子どもでした。そういう人間でさえも、努力して認められれば、社会に貢献できる大きな事業を立ち上げられる時代です。私自身は今アメリカに住み、日本との間を頻繁に往復しています。私のように、日本という枠組みを超え、世界に、人類に貢献する仕事をしたい、と思う若い人が少しでも増えてほしいと願っています。

[参考資料]
※1:Nature Reviews Drug Discovery Volume 12 July 2013 p501-2

(荻野進介=構成)
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