2025年9月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト4をお送りします。政治・経済部門の第4位は――。
▼第1位 「日本の新幹線」を売らずに済んでよかった…「走るほど大赤字」インドネシア新幹線を勝ち取った習近平の大誤算
▼第2位 小泉進次郎氏でも、高市早苗氏でもない…いま自民党内で急浮上している「次の首相」有力候補の意外な名前
▼第3位 だから伊東市長は絶対に辞任しない…市政停滞でも「田久保劇場」を続ける女性の頭の中を東洋大関係者が解説
▼第4位 コメが「5キロ2000円台」に戻ることはもうない…生産量が上がっても値段が下がらない事態を招いた農水省の過ち
米価高騰を招いたまさかの理由
世間の注目の熱はすっかり冷めてしまったようだが、ここ1カ月ほどで「令和のコメ騒動」に注目すべき新展開が生じた。
農水省がついに、米価高騰を招いた「本当の理由」を説明し始めたのだ。
2022年秋、政府は2023年産米の生産量の目安を、前年を下回る669万トンに設定した。2022年秋はいまだコロナ禍の只中で、コメ需要の回復は難しく、その分だけ生産量を減らす必要があると考えられていたのだろう。
しかし、その農水省のヨミは外れた。2023年以降、インバウンドの復活を含め、コロナ禍からの経済回復は急激に進み、コメの需要量も増加した。結果的に2023年秋以降に出回った2023年産米の量はまったく不十分で、2024年6月末時点での国内の民間在庫量は153万トンという記録的な低水準となった。
つまり、昨年夏以降にコメ騒動が顕在化したのは、2023年産米の生産量が不十分だったことに原因があった。そして、生産量が少なくなった原因は、農水省がコロナ禍からの経済回復などの見通しを読み誤ったことにある。
「コメは足りている」と言い張ってきた農水省
それにもかかわらず、これまで農水省は「コメは足りている。米価が高いのは流通の問題だ」と説明してきた。思い返せば、米価高騰の最初の“主犯”として槍玉に挙がったのは、2024年8月に発令された南海トラフ地震臨時情報だった。政府は当初、この南海トラフ地震に関する混乱によってコメの買い込みが発生したことで、一時的に小売の店頭でコメが不足していると説明していた。
しかしその後、2024年産の新米が出回るようになってもコメの価格は一向に下がらなかった。すると政府は、一部のブローカー的な業者によるコメの買い占め・売り惜しみを原因として指摘するようになった。実際、この時期にはコメと関係のない建設業者などの倉庫からコメの在庫が見つかったり、メルカリなどのフリマサイトで高額なコメの出品が相次いだりしたことが大きな話題となった。そこで政府は、米価安定のための備蓄米放出という前例のない決断を下す。政府が抱える大量の備蓄米を市場に放出することで、コメの流通を止めている業者を牽制しようとしたのだ。そして、今年3月からは実際に備蓄米の流通も始まり、「古古古米」などのキーワードはちょっとした流行語にもなった。

