家族ゆえに逃れられない「8050問題」

さらにシビアに将来予測をするとして、もしのび太が独り身のまま50歳を迎えたらどうなるか。もちろん現実バージョンでは万能ロボット、ドラえもんは存在しない。四次元ポケットで難問を解決してくれる頼もしい相棒はいないのだ。そうなった時、野比家は、「8050問題(80代の親が50代の子の生活を支える問題)」を無事クリアできるだろうか。

大人気漫画を不幸バージョンにしてしまい申し訳ないが、それこそが本書『単身リスク』で前述した、社会学者のウルリヒ・ベックが指摘する「家族のリスク」である。起きる確率は100%ではないし、起きてほしくもない未来。だが、十分ありうる未来像だ。

それ以外にもDVや虐待、離婚や介護など、結婚や家庭生活にまつわる「リスク」はたくさんある。「家族を持ったから大丈夫」では決してなく、むしろ「家族になったからこそ逃れられない」リスクがある。しかも核家族化する時代、その逃げ場は決して多くはない。