心身ともに健康でい続けるにはどうすればいいのか。「日本発酵文化協会」上席講師の藤本倫子さんは「江戸時代から、栄養補給剤として受け継がれた“飲み物”がある。最新の研究で、350種類以上の栄養素が含まれていることが判明した」という。ライターの笹間聖子さんが聞いた――。

効果が高いのは「米麹100%」

スーパーの棚にはさまざまな麹甘酒が並ぶが、疲労回復や集中力アップ、美肌などを狙うなら、「米麹100%の甘酒」を選ぶのが基本だ。

「見分け方は簡単。ラベルを見て、成分表示が『米麹』だけ、または『米麹と水』のものを選んでください。それが『米麹100%の甘酒』である証拠です」

「米麹100%甘酒」を推す理由は、「麹菌の量が多いこと」にある。

なぜなら、麹甘酒の栄養の中心は、ビタミンB群、オリゴ糖、アミノ酸などで、これらはすべて麹菌由来。つまり、麹が多いほど効果も高まるのだ。麹甘酒のように、製造過程で加熱すると麹菌は死んでしまうが、それでも栄養は残る。これは麹甘酒のみならず、酢などの発酵食品全般で同じことが言えるという。

乾燥麹
写真=iStock.com/Promo_Link
※写真はイメージです

なお、成分が「米と米麹と水」となっているものなど、米やもち米を加えて作られた甘酒は、麹菌の量が少ない傾向にある。ただし、そちらのほうが値段も安めなので、予算に合わせて選ぶのも一案だ。

また、前編で触れた「究極の若返り成分」エルゴチオネインや、肌の潤いを助ける「麹由来グルコシルセラミド」も、麹100%の甘酒に含まれている可能性が高い。

「たとえば、八海醸造は機能性表示食品として認定を受けていますが、おそらく他の麹100%の甘酒にも含まれているはずです。麹菌が多ければ多いほど、エルゴチオネインも麹由来グルコシルセラミドも多くなりますから」

甘酒の裏表示。原材料名に「米麹」のみが記載されている。
撮影=プレジデントオンライン編集部
原材料名に「米麹」のみが記載されている。写真は、八海醸造の麹甘酒「あまさけ」のもの。

選ぶべきはやはり、「米麹100%」なのだ。

朝一杯で「脳がシャキッと」

次に気になるのは、飲むタイミング。藤本先生のおすすめは朝だそう。麹甘酒の栄養成分の8割はブドウ糖で、脳のエネルギーになるからだ。

「これから動くって時に飲むと、頭がシャキッとします。寝ている間は頭を使わないから、夜より朝に飲むほうが効果的ですよね」

午後のおやつ代わりに飲むのもおすすめ。会議前に飲んで集中力を高めるビジネスパーソンもいるという。

ただし、甘いので飲み過ぎは禁物。

「目安は1日100mlです。朝だけ100mlでも、朝と昼に50mlずつでも、健康効果はほとんど変わりません」

ちなみに、ある市販の甘酒を見たところ、125mlあたり炭水化物の量は約21gだった。炭水化物には糖質と食物繊維が含まれる。WHOの推奨する1日の砂糖摂取量は25gだから、おおよそだが、甘酒125mlなら糖質摂取量は基準内に収まる。

「1日300ml飲んでも害はなかったという研究結果もあります。でも他の食事からも糖分を摂ることを考えると、100mlに抑えておいた方が無難ですね」

余った分は冷蔵庫か冷凍庫で保存しよう。冷蔵で約1週間、冷凍で約1ヶ月保つが、保存状態にもよっても変わる。臭いやネバつき、酸味が強い場合は避けたほうがいい。