「何か質問はありますか?」と聞かれても思いつかないとき、どうすればいいか。起業家で作家の豊留菜瑞さんは「『質問しなくては』と思うと質問が義務になり、人見知りが発動してしまう。まずは『質問を作ろう』という意識を完全に手放すといい」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、豊留菜瑞『人見知りの仮面』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

ワークショップで挙手する女性
写真=iStock.com/SetsukoN
※写真はイメージです

聞きたいことがあるのに質問が思い浮かばない

「何か質問はありますか?」

とあるセミナーの最後で、講師がそう言った瞬間、私は凍りつきました。

周りの人たちは次々と手を挙げています。

「○○について、もう少し詳しく教えてください」
「△△の事例はありますか?」

私も聞きたいことは、たくさんあるはずなのに、具体的な質問が何も思い浮かばないのです。

頭の中を探しても、探しても、「これを聞いたら変かな」「的外れだったらどうしよう」「レベルの低い質問だと思われないか」と、そんな声ばかりが渦巻いて、結局、何も言えないまま時間は過ぎていく。

気づけば、講師が「では、これで終わりにします」と言っていることがほとんどでした。

仕事の打ち合わせでも同じようなことが起こります。

「菜瑞さんは、どう思いますか?」

そうやって急に話を振られると、頭が真っ白になって、何も出てこない。

「え、えっと……」

気の利いた質問をしなきゃ。

会話を広げなきゃ。

場を盛り上げなきゃ。

でも、そう思えば思うほど、言葉は出てこなくなるのです。

そして結局、「そうですね……勉強になりました」と、当たり障りのない返事をして終わる。

こんなふうにかつての私は、質問が全く出てこない人間でした。

「質問しよう」と思うと質問は出ない

けれど、のちに心理学を学んでわかったことがあります。質問が出てこないのは、“スキル不足”ではなく“矢印の向き”の問題だったということです。

人見知りの人ほど自分の発言に注意が向きすぎてしまいます。

つまり、「質問できない」のではなく、「質問する余白が心に残っていない」だけ。

そして、質問は、スキルとして「習得する」ものではないのです。

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。

「じゃあ、相手に興味を持って、質問すればいいんだな」と。

しかし、実はここに大きな落とし穴があります。

「質問しよう」と思った瞬間、質問は出なくなるからです。