人生後半、終活でやっておくべきことは何か。医師の和田秀樹さんは「私は家族にお墓を作らないこと、財産は一切遺さないことを伝えている。お墓について理想的なのは、その人の生き方や思いに共鳴した人たちの力で建てられ、影響を受けた人たちが長きに渡って自発的に手を合わせに来ることだ」という――。

※本稿は、和田秀樹『65歳、いまが楽園』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

家族とお金、ローン、相続、税金のイメージ
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遺産の有無をはっきりと伝えておく

「相続」という発想を捨てると、第2の人生で使えるお金が一気に増えます。

まとまったお金ができたときにも、「とりあえず不動産を買っておこう」とはならず、こうやってワインに何千万も使ったり、映画を撮るのにお金をつぎ込んだりできるのも、自分が死んだあとのことは一切考えていないからです。

お金はすべて使い切ると決めたのなら、相続の対象者にはっきりとそれを表明しておくことを私は強くおすすめします。

そうでないと、お金を遺してもらえると思い込んだ子どもや孫が、あれこれお金の使い方に口出ししてくる可能性が高くなるからです。

つまり、せっかく好き勝手に使おうと思っているのに、思わぬ横槍が入りかねないのです。

私には娘が2人いますが、「財産は一切遺さないよ」とはっきり伝えてあります。上の娘は弁護士で下の娘は医師ですが、すでに結婚もして経済的にも自立しているので、親の金なんてもう必要ないでしょう。

お墓も作らないと決めているので、家族にもそう伝えてあります。